暁 〜小説投稿サイト〜
魔法が使える世界の刑務所で脱獄とか、防げる訳ないじゃん。
第一部
第27話 新年魔法大会 【ショットダウン 其の三】
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
に覆われていく。辺りが急激に冷え、そもそも冬で寒いのに更に寒くなって、一瞬の内に睫毛が凍った。

「おっとぉ?? 急にフィールドが見辛くなったぁ?? って訳で、観客席の皆さんに特別! 取り敢えず視界はクリアにしまーす」

どこからか、琴葉の声が聞こえてくる。恐らく、観客席とフィールドの境にレンズの様になるように魔法を張り巡らせて、中の霧を取り除いた状態を見せる事ができるようにしたのだろう。言葉から察するに、だが。
やっぱり、琴葉は化物級に強いなぁと思いつつ、僕は思考を巡らせる。

この“魔法”を発動したのは誰か。
この魔法は無効化させた方がいいのか、否か。
無効化させるとしたらどうすればいいか。
コトハチャンの位置、一撃必殺技は何か。

そして、次の行動に入るまでの時間、約ゼロ コンマ 六秒。

「……おっとー、本当にチョットだけ汐梨ちゃんの方が早かったぁ??」

魔法は無視。コトハチャンの背後になる位置に転移。地面を蹴って、コトハチャンが居る高さまで跳躍。羽織りものを掴んで、地面へ叩き付ける。そして、動く事が出来ない一瞬の隙を突いてコトハチャンの動きを封じ、喉笛を?き切る。

そこまでのパターンを考えて、即座に行動したが、羽織りものを掴むのがほんの一瞬の差で、三舎代表の青海汐梨ちゃんに負けてしまう。当然、空中でバランスを崩し、失速。どうにか着地の前に魔法を展開し、頭から地面に落下という事態は防いだが、次の動作に繋げる事は無理そうだ。

その硬直時間の間に、地面にパッと水が広がり、噴水の様に一気に遥か上空まで水の柱が立った。
呼吸が出来ないとか、体が上空まで上がって詰みなんですけど、と言う事はない。
これは魔法で作られた水であり、目的は霧を払う事のみ。普通に呼吸をしても問題ないし、足が地面から離れる事もない。まぁ、これで目的が他の選手を溺死させる事だったとしたら、当然呼吸は出来ない様になるし、場外にさせる事だったら、どこか遠くまで吹っ飛ばされて、今頃海の中だ。

魔法はイメージに因って効果が変わってくるから、同じ魔法を使うとしても、百人魔法師がいたら、百通りの魔法があると言っても過言では無いと言われている。そのくらい、イメージの力は強い。

「汐梨ちゃん、やっぱり強いねー! 観客席は膜を張って水が入って来ない様にしているため、人間水族館的な感じになっております! 因みに私は水の中で実況中でっす??」
「琴葉先輩、ホントぶっ飛び性能……」
「汐梨ちゃんも、水に関してはぶっ飛んでると思うけどなぁ」
「あ、要さん。ありがとうだけど、レベル1のコトハチャンにすら全然敵わないよー」

地面に叩き付けても隙を見せる事なく、即
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ