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戦闘描写練習文──ラインアーク攻防──
ホワイトグリント撃破(前)
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カ》使用。回避成功


──エネルギー残量30%、PA25%減少


「バックブースト、SALINE05ロック」
 もし、最強の兵士から感情と自我を引き抜いたなら何が残るのか。
「発射」
 その答えの一つがこのコックピットに押し込まれていた。


――機体損傷20%


 意識を失い、意思を見せず、戦闘に関する知識だけが残された、全世界で最高と言えるまでの戦闘コンピュータはとなるのだ。
 今の"彼"は本来成し得なかった筈のAMSとの完全な同調を成功させていた。ホワイトグリントを文字通り手足のように操り、ネクスト2機に対して不十分な装備で完全に抑えに掛かっている。
「排除、開始」
 AMS接続の限界を超えた"彼"は、今や文字通りの"リンクス"(繋がれたもの)としてホワイトグリントに搭載(・・)されていた。
 だが、所詮は機械に操られた機体。かつてホワイトグリントが弱点を暴き、ストレイドによって沈められたスピリット・オブ・マザーウィルと本質的には何も変わりなかった。


『AP、40%減少』
「この程度なら、保つな」
 今までの攻撃で奪い取られた装甲の想定耐久値が4割程になり、PAが規定出力の半分を割り込んだ直後。
「……銃撃が、止まった?」
 唐突に、ホワイトグリントがストレイドに対する銃撃を止めた。ついにステイシスの攻撃を無視できなくなったらしい。
『一気に畳んでしまえ』
 オペレーターの指示通りに幸いとばかりに銃の攻撃を集中させようとするが……。
「タイミングが悪すぎる」
 最後の弾を吐き出した03-MOTORCOBRAが沈黙し、オートで一個当たり82発しか入らないマガジン(弾倉)を吐き出した。
「……チャンスを潰した、か」
 機械的に右腕を下げ、腰部のサブアームで次のマガジンを挿入する。同時に行おうとした緊急回避のためのサイドQBはエネルギー残量警告と共にキャンセルされた。重量過多の機体でホワイトグリントを追ったツケは足を奪うという形で如実に現われていた。
『何を考えている、ホワイトグリント?』
 オペレーターの戸惑う声が彼を目の前の敵に意識を戻す。確かに奇妙な状態だった。ステイシスの攻撃を回避してはいるが、こちらに対して全く攻撃をしてこない。
『貴方は、昔の私たちと同じです』
 銃声の代わりに響いたのはホワイトグリントのオペレーターの声。
「それがどうした」
 ストレイドも橋に着地し、単純な前進のみを続ける。高機動戦闘でジェネレーターのエネルギー容量が相当量減っていたから、相手の会話に乗ること自体は悪い判断ではない。
「……時間稼ぎのつもりか?」
 それを誤魔化すためも含めた首輪付きの応答は辛辣な物だったが、彼女はそれを一切無視して次の言葉を紡いだ。
『考えて下さい
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