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戦闘描写練習文──ラインアーク攻防──
ホワイトグリント撃破(前)
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きの白いミサイル。ホワイトグリント用に新規開発されたとまで言われた、MSACインターナショナル社謹製のSALINE05(分裂ミサイル)の子弾だった。
 信じ難いことにそのミサイルは、サイドQB(クイックブースト)で散開したネクスト2機を確実に捕捉し続けている。彼は巷に流れていた噂通りの追尾性能を発揮していると判断し、躊躇なく051ANAM(フレア)を起動した。ミサイルの誘導が外れ、流星のように光を残す熱源体を追い始める。
「……まるで戦闘機戦だな」
 昔の映像記録で見た超音速で飛び交う鋼の猛禽たちの戦闘。しかし、それを再現するには今の彼の愛機は重すぎる。
「やはり追い切れない。予定通りにいきます」
 いわゆる重量過多で本来の機動力の半分しか発揮できないこの機体は準軽量二脚として失格の能力でしかない。更に、本来なら主力として使っていた左腕の047ANNR(ライフル)を持って来れなかったことは、機体総火力もも大幅に後退させていた。
 今の段階で使える兵装は右手で握っているレイレナード純製03-MOTORCOBRA(マシンガン)だけであり、対ネクスト戦装備と言うには明らかに役者不足だった。
『そうか』
 オペレーターの期待外れと言わんばかりのそっけない返答。彼の立てた予定は明らかに異常なものだった。それを承知の上でそのアセンブルを組み上げていた彼は、QT(クイックターン)で向きを変更し、再び051ANAMを使用する。その軌跡は彼の機体の右側へと伸びていき、2射目に放たれたステイシスへのミサイルの誘導を完全に失わせていた。
『本気で援護に徹するんだな?』
 グリントミサイルとさえ呼ばれるSALINE05を封印し、ステイシスの前衛として削り役に徹する。今のストレイドはそれだけの為に組んだ支援用装備を身に纏っていた。
「ええ。古い伝説は驚くでしょうね」
 本来は敵でもある一期一会のような僚機の為に、専用のアセンブルを組むリンクスなどいるはずがなかったのだから。
『見せてみろ』
 そうしている間に速度差から先行してホワイトグリントを射程に収めたステイシスが、最初の一撃を放ちながら過去の英雄に対して嘯いた。
『リンクス戦争の英雄の力を』
 そのあまりの芝居掛かった台詞に、つい彼は悪乗りしてみる。冷静さを保てる範囲でなら彼も冗談は好みだった。
「ストレイド、エンゲージ(交戦)
 そして出た言葉は人類が自由だった時代に、国を背負って空を駆けた戦闘機乗り達が交わした挨拶。それは相手が同じ人間であることを認識できた最後の時代の名残だった。


 ストレイドの交戦の宣言を聞いたオッツダルヴァは、通信回線を完全に閉じて一人呟く。
「下らない敵に下らない味方。まるでファルス(喜劇)だ」
 向こう側で何が起きているのかを予め知
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