それぞれの拳
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れを僕が作ってやるんじゃないか!!」
ナツの怒濤の攻撃の合間を縫って体を切り裂くゼレフ。彼の鮮血が飛び散るが、怯むことなく敵を見据えている。
「違う!!お前は自分のことしか考えてねぇ!!お前のやろうとしてることは・・・この世界を否定することだ!!」
「世界に拒まれ続けた者の苦しみも知らずに・・・よくも・・・」
仲間がいたからこそ生き続けることができた弟と誰からも理解されず、絶望を味わい続けてきた兄。真逆の境遇を進んできた二人の相容れぬ感情。
「燃えろ!!俺の全て!!ギルドの力を炎に変えて・・・」
ギルドマークが光り、全身が炎に包まれるナツ。対するゼレフの拳には、漆黒の魔力が集まってくる。
「炎竜王の崩拳!!」
「暗黒爆炎陣!!」
ぶつかり合う二人の拳。両軍の大将対決は終焉を迎えようとしていた。
「あいつら・・・まさか・・・」
その頃、アクノロギアを仕留めるために動いていたエルザたちは地上に見える二人の男たちをクリスティーナから見つめていた。
「自分たちで潰し合おうというのか!?」
互いを見据えて目付きを変えている二人・・・どこからどう見ても戦いを始めようとしているようにしか見えない。
「彼らはアクノロギアを倒してしまうほどの力を持っている・・・この戦いの勝者を時の狭間に閉じ込めることができればそれがいいけど・・・」
「けど・・・どうしたんですか?アンナ先生」
アクノロギアという脅威が消えたとはいえ、目の前にはさらに強大な敵が存在している。ただ、アンナの考えた作戦にならってアクノロギアを倒すときと同様の戦法を取ればいい。
しかし、問題が一つ・・・
「時の狭間は・・・上空にあるの・・・」
ティオスも天海も人間・・・空を飛ぶことはできない。いや、ティオスはシリルの持っていた天使としての遺伝子もあるから空を飛ぶことはできるが・・・
「そもそも、時の狭間はティオスが支配しているはずでは・・・」
「え!?」
エクリプスと時の狭間を繋げることによりこの時代へと残り続けているティオス。彼を時の狭間に閉じ込められるとは到底思えない。むしろ彼がパワーアップする要因になりかねないのである。
「そんな・・・一体どうすれば・・・」
どちらが勝ってももうあの作戦は使えない。アンナは懸命に思考を張り巡らせるが、そんなに簡単に次の策が出てくるはずがない。
「・・・!!」
全身が静かに次に取るべき行動を思案していた時、外を見ていたカミューニの顔色が変わった。
「おい!!すぐにここから離れろ!!」
響き渡る青年の声。その声のトーンからただ事ではないことはすぐに
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