外伝〜灰色の騎士と盤上の指し手の覚悟〜 前篇
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演習地にいたにも関わらず、オルキスタワーにいるはずのリーゼアリアさんを演習地に連れてきてわたし達と合流させた事”はどう考えても辻褄が合わない出来事です。恐らくですが、リーゼアリアさんに発破をかけたミュゼさんはわたし達の世界のミュゼさんで、わたし達と共に演習地にいたミュゼさんは――――」
「ええ、オルキスタワーでの結社との戦いの後に演習地に戻ったその日の夜に私と入れ替わった”並行世界の未来の私”ですわ。ちなみに私は皆さんが星見の塔で結社の使い手達と激闘を繰り広げている中、オルキスタワーでユーディお姉様とキュアさんと”今後”の事についての交渉をさせて頂いておりましたわ。」
目を伏せて黙り込んでいたリィンは目を見開いてミュゼを見つめてある事を口にし、それを聞いたゲルドは当時の事を思い出して呆けた声を出し、戸惑いの表情で呟いたセレーネの意見に頷いたアルティナは真剣な表情でミュゼを見つめながら推測し、アルティナの推測にミュゼは静かな表情で頷いた。
「オルキスタワーでユーディットさん達と…………という事は、貴女は並行世界の未来の貴女とクロスベルでの特別演習が行われる前から繋がっていたのかしら?」
「いえ、実際に彼女―――”ミューズと名乗っている私”との繋がりを持ったのは三帝国交流会の為にオルキスタワー屋上にメンフィルとエレボニアのVIP達が到着した時に彼女から連絡が来ましたから、彼女達の存在についてはその連絡が来るまで私も全く把握していませんでしたわ。…………それにしても、理解していたとはいえ”私がもう一人現れるなんて出来事”は”私自身”と会った時に心から驚いてしまいましたわ。あの驚きは間違いなく一生で一番の驚きになるかと♪クスクス♪」
アルフィンの問いかけに答えたミュゼは小悪魔な笑みを浮かべ、ミュゼの答えにリィン達は冷や汗をかいて脱力した。
「…………分校長、それにレン教官。まさかセリカ殿達が再びゼムリア大陸に現れた理由は先程の話にあった”黄昏”の件ですか?」
「へえ?―――その通りよ。”黄昏”が起こった事でエレボニアを中心とした西ゼムリア大陸の大戦乱が起こる事はセリカお兄さん達にとっては看過できない事だから、それを未然に防ぐために再びゼムリア大陸に現れたのよ。―――セリカお兄さんの”正体”を知っているリィンお兄さん達だったら、セリカお兄さんだったら”黄昏”を何とかできる事も知っているでしょう?」
リィンの問いかけに興味ありげな表情を浮かべたレンはリィン達に指摘し、レンの指摘にリィン達はそれぞれ冷や汗をかいた。
「ア、アハハ…………まあ、セリカ様でしたら”黄昏”―――”世界の呪い”すらも何とかできるでしょうね。」
「そうですね。セリカ様は非常識過ぎる面々のディル=リフィーナ勢の中でも”最も非常識かつ理不尽な存在”
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