外伝〜灰色の騎士と盤上の指し手の覚悟〜 前篇
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どうして、そんな重要な事を当事者の俺にも話を通さずに決めたんだ!?というか何なんだ、その”様々な事情”というのは!?」
エリゼの答えを聞いて口をパクパクしていたリィンだったがすぐに我に返ると疲れた表情で問いかけた。
「ふふっ、教官と私の婚約は政略的な意味合いもありまして。そしてその政略とはエレボニア側のカイエン公爵たる私が多くの伴侶を迎える事で様々な方面との縁戚関係を持つリィン教官と結ばれる事で、”オズボーン宰相達を廃した後のエレボニアの政治にメンフィル・クロスベル連合を介入させる正当な理由の一つ”でもあるからですわ。」
「な――――――」
「え…………―――ミルディーヌ!?今の話は一体どういうこと!?まさか貴女…………エレボニア帝国をメンフィル・クロスベル連合の”属国”にするつもりなの!?」
ミュゼの説明にリィンは驚きのあまり絶句し、アルフィンは呆けた後血相を変えて厳しい表情でミュゼに問いかけた。
「…………彼女がそのような判断を降した理由については、貴方方とも共有すべきリウイ陛下達からの情報の件を含めて今から説明いたします―――」
その様子を見たリアンヌ分校長は静かな表情で申し出、リアンヌ分校長とレンはリウイ達からもたらされた情報―――並行世界の未来の新Z組の情報や領邦会議の後で行ったミュゼとリウイ達の交渉内容等を説明した。
「並行世界の未来のユウナ達がこの世界にいる事にも驚いたけど、並行世界ではそのような事が起こっていたなんて…………(まさか、異世界でも”ラウアールの波”のようなものが存在していたなんて…………あ…………だから、私はあの時”あの歌”を歌っていたのね…………)」
「並行世界の未来ではミリアムさんがわたしを庇って死亡し、”剣”になったのですか……………………」
「しかもアンゼリカさんは生死不明になり、カレイジャスまで爆破されたという事は並行世界の未来ではお兄様や子爵閣下、それにトヴァルさんは…………」
「アルティナさん、アルフィン…………」
驚愕の事情を聞き終えたゲルドは重々しい様子を纏って呟き、アルティナとアルフィンは悲痛そうな表情を浮かべ、二人の様子をエリゼは心配そうな表情で見つめた。
「………………………………―――ようやく、疑問が解けたよ。何故オルキスタワーにいたはずのリーゼアリアがユウナ達と共に”星見の塔”に現れる事ができた疑問を。あれは、ミュゼ。君と並行世界のミュゼの仕業だったんだな?」
「あ…………」
「そ、そういえばリーゼアリアさんはミュゼさんに発破をかけられてわたくし達の加勢の為にオルキスタワーを抜け出して星見の塔に現れたと仰っていましたが、よくよく考えてみるとおかしな点がありましたわよね?」
「はい。”ミュゼさんもわたし達と一緒に
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