第七十五話
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を取ってきた。
俺は黙って頷き、開けっぱになっている窓を指さした。
「ありがとうっぽい!!」
夕立はそう言い残すと、先程の若葉と同じように窓から二階へと登って行った。
「……そういや冬華って、昔っから運動神経バケモンだったな」
ぼそっと、阿武隈に聞えないくらいの声で呟いた。小学生の頃、忘れ物をしたからと言って鍵の閉まった学校の三階の窓から侵入しようと、雨樋をスルスルと登って行ったことを思い出した。
あそこまでの身体能力を持つ艦娘は、そうそう居ないだろう。
「さてと……阿武隈、これからどうする?」
軽く物思いに耽けた後、俺は放置していた阿武隈に向き直り、声をかける。
「えっと……その……か、缶蹴り……頑張ります」
阿武隈は、へたり込んでいた状態から、よろよろと頼りない感じだが、しっかりと立ち上がっていた。
「……んじゃ、俺は行くな」
俺は阿武隈にそう言い残して、地面を蹴った。
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