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ヒュアデスの銀狼
SS4  オオカミが知る感情
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ずであるが……。

 それは、同時に……カズ自身の体が進化に耐えきれず自己崩壊を起こす可能性も孕んでいた。

 カズは、グリーフシードを食べることで強くなれる。
 だが、同時にグリーフシードがため込む絶望(?)を、全身に痛みと苦しみとして味わう。
 それが、魔女の“味”だということはなんとなく分かっていたが、単品のグリーフシードでも相当に苦しいのだ。一度に大量のグリーフシードを取り込めばどうなるかなど、火を見るより明らかだ。
 だがそれでもやるのだ。やらなければならないのだ。そのために、今日まで魔女を食べて耐えることを覚えてきたはずだと、カズは自分自身に言い聞かせる。

 すべては、カンナのために!

「カズ…。」
「カンナ…、オレは、やる。ヒュアデスが幸せになれる世界のために。」
「…私のオオカミさん。」
 カンナが、チュッとカズのおでこにキスを落とした。
「あなたが、アダムで、私がイヴで……なーんてね。」
「っ…。」
「あれ? 照れてる? そんな反応も出来るんだー。」
 カンナがクスクスと笑った。
 カズは、自分の顔を押さえ、赤面していることを知った。

 この感情は…なんだろう?

 っと、自問自答したが、答えは得られなかった。




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