暁 〜小説投稿サイト〜
楽園の御業を使う者
CAST38
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
!?」

「うん。テンプレ台詞乙」

男達が周囲を見回す。

そこで愛梨から視界をはずした。

その一瞬で、愛梨は消えた。

「こっちこっち」

声がした方には小さな女がいた。

就学しているかもあやしい小さな子供だ。

だがその小さな体で愛梨を横抱きにしている。

「じゃぁな、誘拐犯共」

子供が男達に背を向けて歩きだした。

「待ちやがれ!」

「逃がすか!」

男達が駆け出した瞬間。

ロープがシュルシュルと伸び、男達の首に巻き付いた。

男達がもがき苦しむ。

「概念拡張時空間集束魔法【クァチル・ウタウス】」

それだけ言って、愛梨を抱えた子供は去っていった。

そして、誘拐犯二人は青木ヶ原の白骨死体達の仲間入りを果たした。













遊歩道まで戻ってきた白夜が愛梨に尋ねた。

「なんで一人でいたの? 友達か親は?」

「飲み物を買いに行ってたのよ」

「ふーん。そっか。次からは気を付けなよ」

自分から聞いていて、あまり興味なさそうな白夜。

「ねえ、貴方、質葉白夜君?」

白夜は事実上最も有名な魔法師だ。

様々なバラエティー番組やドラマに出演しており、魔法師でなくともその名前を知る人は多い。

「そうだよ。本名は千葉白夜。百家千葉家の三男だよ」

「そう…百家の…」

「別に貸し借りとか考えなくていいからね。今回のは家は関係なく俺が勝手に動いただけだから」

「そう…。ならますます貸し借りを考えない訳にはいかないわね」

「そんな物?」

「ええ、そうよ」

白夜は基本的に政治には疎い。

「もう歩けるわ」

「えー。美少女助けたんだから最後までかっこつけさせてよー」

そう言いながらも、白夜は大人しく愛梨をおろした。

「ね、ねぇ、重くなかった?」

「んー…もう少し重くした方がリーブル・エペーでも有利になるとは思うよ。
一撃の重さはやっぱり大事だよ」

「ふーん……貴方ってタレント以前に剣士なのね」

「そりゃぁ千葉家だし」

愛梨が白夜の手を握った。

「ん? やっぱ怖かった?」

「そんなんじゃないわ。貴方を見てると転びそうで危なっかしいのよ」

「子供扱いしないでくれよ。これでも君と同い年なんだからさ」

「それでもよ」

等と誤魔化しているが愛梨は内心フィーバーしまくりである。

何の事はない。一目惚れだ。

愛梨は白夜に惚れたのだ。

「お、そろそろ樹海を抜けられそうだな」

白夜の言った通り、直ぐに樹海を抜けた。

「駐車場?」

「そうそう駐車場。ここで少し待ってようか」


[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ