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ある晴れた日に
175部分:輝けダイアモンドその九
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輝けダイアモンドその九

「いつもいつもだからな」
「特に喧嘩とかしていないのに?」
 ついでに言えば仲も悪くなかったりする。
「何でそんなふうになってるのよ。しかもまた陰口に」
「おっと、いけないな」
 未晴の言葉に思わず口を引っ込めることになってしまった。
「本当に気をつけないとな」
「そうよ。それにしてもそんなに私皆の世話してるかしら」
「してるよ」
 今度ははっきりと述べたのだった。
「それもかなりな」
「そうかしら」
「まあ自覚してないならそれでいいけれどな」
 今度は突き放した感じの言葉を出すのだった。
「まあ竹林が頼りにされてるのは確かだしな」
「それは嬉しいわ」
 頼りにされていると言われて喜ばない人間はいない。彼女も然り、ということだった。
「それはね」
「ああ。こうやって俺と一緒に来てくれてるしな」
「理由はさっき言った通りよ」
「そうだよな。で、この学園だけれどな」
 学園の中を見回した。キャンパスはかなり広い。広いだけでなく様々な校舎や木々、それに行き交う学生達で満ち溢れている。見れば彼等の学校の制服の人間までいる。
「うちの学校の奴だっているしな」
「姉妹校だからね」
 また答える未晴だった。
「私も時々通ってるし」
「あっ、そうなのか」
「音橋君はここあまり来ないの?」
「いや、結構通ってるぜ」
 これは本当のことである。時々通ってそこで音楽について調べたりしているのである。
「ここもな」
「そうなの」
「けれどな」
 そのうえで言うのだった。
「うちの学校の連中が結構多くてな」
「それでなの」
「ああ。ちらほらと見るからな」
「私達もその中の二人だしね」
「その中の?」
「ええ、二人よ」
 微笑んで正道に述べた。
「私達二人よ」
「そうなるな。そういえばな」
「二人ね。二人でなのよ」
「ずっと一人で通っていたんだよ」
 彼は言う。
「ここだってあちこちだってな」
「そうなの」
「一人の方がな。楽だったしな」
「楽だった?」
 ここで正道自身は気付いていなかったが彼は今の言葉に過去形を使っていた。そしてその言葉を自分でも言った未晴もそのことには気付いていなかった。
「楽だったの」
「ああ、けれど二人もいいかもな」
 また言うが言葉は違っていた。
「二人でいるのもな」
「そうよね。二人もね」
「ああ」
 また未晴の言葉に頷いた。
「いいものでしょ」
「何かあった時にはか」
「二人の方が助かるわ」
 また微笑んで述べる未晴だった。
「いざって時にはね」
「わかったよ。じゃああそこか」
「そう、あそこよ」
 前にギリシアの神殿を思わせる壮麗な建物が姿を現わした。
「あそこが。その申請する場所よ」

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