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レーヴァティン
第九十九話 要塞攻略その三

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「トリノとの戦も終わりだな」
「そうなりますね」
「ならその後はな」
 トリノが降ればとだ、久志はさらに話した。
「ジェノヴァだな」
「あの街に向かいますね」
「そうするな」
「今のところ我々は順調ですね」
 進撃しているとだ、紅葉は述べた。
「むしろ予想以上にです」
「進んでるな」
「そうですね、ですが」
「ああ、それもな」
「油断すれば」
「その時はな」
「足元をすくわれますね」
「そうなるからな」
 だからだというのだ。
「このまま油断しないで進もうな」
「それがいいですね」
「じゃあ明日はな」
 今日は休んでとだ、久志はまた話した。
「トリノに進軍を開始だ」
「そうしましょう」
「是非な」
 こう言ってだ、久志達はこの日は進軍をせずに軍を休ませた。その間久志達も休み翌日に実際にだった。
 トリノに向かうと共にそちらに使者を送った、するとだった。
 使者がすぐに戻ってきてこう久志に言った。
「もう戦力はない」
「そう言ってるんだな」
「はい、ですから」
「降るか」
「寛大な処置をお願いしたいとのことです」
「ああ、それはな」
 久志は使者に笑って話した。
「俺達にしてもな」
「そうされますね」
「ああ、そう伝えてくれ」
 トリノの方にというのだ。
「是非な」
「それでは」
「後な」
 久志は使者にさらに言った。
「もう一つ伝えてくれるか」
「それは何でしょうか」
「戦が終わったからすぐに捕虜は返すな」
 要塞で捕らえた彼等はというのだ。
「それで軍のことはこっちでやるからな」
「今後は、ですね」
「ああ、そうして街を護るな」
「そのこともですね」
「伝えてくれ、いいな」
「わかりました」
 使者は久志の言葉に頷いてそうして彼に言った。
「今すぐにトリノに戻り」
「伝えてくれるな」
「そうします」
「それじゃあ俺達はジェノヴァに向かうからな」
「後で追いかけます」
「ああ、進路のことも伝えるな」
「宜しくお願いします」
 使者は久志に敬礼をして答えてだった、すぐにまたトリノに向かった。その使者を見送るとすぐにだった。
 久志達はトリノからジェノヴァに進路を変えた、彼はその中で共にいる仲間達に対してこんなことを言った。
「半島の北西の街や村はどんどんこっちに入ってきてるけれどな」
「ミラノ、トリノを陥落させたでござる」
 進太が久志に応えた。
「その話が伝わってでござる」
「それで、だよな」
「我等の強さと寛容さが知られ」
「どんどんこっちに降ってきてるんだな」
「それで北西の街や村がでござる」
 一旦は敵になった彼等がというのだ。
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