暁 〜小説投稿サイト〜
ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
第105話:Hope
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ルティメットアーマーのデータファイルの解析を中断してきたゲイトがルナの呟きに同意する。
「シャトルの補強に必要なパーツを集めてきてもらいたいが、タイムロスを避けるためお前達4人にはそれぞれ同時に別の目標地点に向かってもらおうと思っている」
「へ?私達一斉にですか?」
ダイナモによるエニグマ襲撃の後であるにも関わらずに言い放たれたシグナスの言葉にルイン達は目を見開く。
「ん?ちょっと待て、4人って…もしかしてそれには俺も数に入ってたりすんの?」
自分を指差しながらルナがシグナスに尋ねると、彼は頷くことでルナの疑問に答えた。
「その通りだ。君は確か不思議な能力の関係上、シグマウィルスの影響を全く受けないのだろう?それはシグマウィルスの温床と化していたホタルニクス博士の研究所からイレギュラー化することなく無事に帰還してきたことで良く理解出来た。出来れば君にはエネルギータンクのあるスペースラボラトリーに向かってもらいたい。」
それを聞いたルナは心得たと言わんばかりに頷いた。
「なるほどな、スペースシャトルの強化に必要なパーツの中で最も重要度が高いのは言うまでもなく燃料だしな。確かに確実に手に入れられるよう、完全な対ウィルス性能を持つ俺がスペースラボラトリーに行くべきだな」
「君の能力は本当に興味深いよ。出来ることなら解析したいが、君は拒否するだろう?」
「当たり前、他人に身体を弄られるなんてごめんだね。それよりもダイナモはどうすんだ?正直、俺達が留守の時に襲撃かけられたらやべえんじゃねえの?」
ルナの言う通り、ダイナモが自分達が留守中の間に襲撃して来たら食い止める手段は何もない。
何せダイナモはエニグマ整備に宛てがっていたハンター達を全員あっさりと叩き伏せてしまったのだから。
「だが、コロニーの落下予測時間を考えれば、君達全員が目的地に同時に向かわなければ間に合わない可能性もある。」
エックス達の誰かがパーツを素早く回収し、ハンターベースに戻ってきてくれれば安心出来るがそれはかなり分の悪い賭けだ。
しかし多少なりとも成功の可能性が残されている以上、多少のリスクを冒してでもやらねばならない。
「残り時間はもう後僅かしかない。しかし、エニグマのパーツを提供してくれた者達が我々に与えてくれた時間を活かして出来うる限りの補強のパーツを集め、絶望を希望に変えるのだ。エニグマ作戦が失敗した今、我々にはもう失敗は許されないのだから。」
作戦成功の可能性は極めて低いと言う厳しい状況の中、それでも彼らは僅かな希望を見失わない…見失うわけにはいかない。
どのような絶望が迫ってきても抗い続ける…それがイレギュラーハンターなのだから。
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