170部分:輝けダイアモンドその四
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輝けダイアモンドその四
「未晴のことね」
「ああ、わかったさ」
かなり強引だったがそれでも頼みには応える正道だった。
「俺が横にいたらな。何があってもな」
「おいおい、音橋って結構硬派じゃね?」
「だよなあ」
今の彼の言葉を聞いて感心したように言う野茂と坂上だった。
「何か軟派なイメージあるのにな」
「羊の皮を被った何とやらってやつか?」
「違うよ、おい」
今の二人の囃し立てには少しムキになって返す正道だった。
「そんなんじゃなくてな」
「じゃあ何なんだよ」
「まさかとは思うけれどよ」
「まさかって何だよ」
「いや、まあそれはな」
「あれだけれどな」
ここから先は何故か口ごもる二人であった。
「ちょっとな。まあ気にしないでくれよ」
「別に。何でもないからな」
「また随分と思わせぶりだな」
二人の言葉の意味はここではよくわからない正道だった。ついつい首を捻る。
「まあいいさ。それで竹林」
「ええ」
「今日の放課後でいいよな」
「ええ、それで御願いするわ」
にこりと笑って正道の今の言葉に頷く未晴だった。
「今日ね」
「わかったさ。じゃあ今日早速だな」
「うん、それで御願いするわ」
教壇から千佳が言ってきた。やはりその後ろにはもう一人のクラス委員である加山がいて書記の役割をしているのだった。このクラスのホームルームでの常の形であった。
「早いうちにね」
「わかったさ。さて、と」
正道は応えながらここでギターを自分の胸にやって抱いた。
「何か本格的に動いてきたな」
「ここから早いわよ」
江夏先生がにこりと笑って彼に声をかけてきた。
「ここからね」
「そうなんですか」
「話は進む時は急に進むものよ」
先生はこうも言うのだった。
「それで終わるのはあっという間よ」
「何か随分現実味のある話ですよね」
「またどうしたんですか?」
「人生経験を積めばわかることなのよ」
先生はここではこう皆に告げた。
「こういうことはね」
「そうなんですか?」
「つまり歳を取れば?」
「そういえば先生って」
ここからは彼等にとっては地雷だったが気付かないうちに話を進めてしまった。
「もう二十九だったっけ」
「田淵先生で二十八だったよね」
「もうすぐ三十路なんだ」
「三十路は余計よ」
それを聞き逃さなかった江夏先生はその目を思いきり怖いものにさせていた。見ればもう一人の田淵先生にしろ怖い目になってしまっている。
「まだ二十代なのを忘れないことね」
「そういうことよ。先生達はまだ二十代よ」
「まあ確かにそうですけれど」
「それはわかってますよ」
「わかっていたら言わないことよ」
「これだけは覚えておいて」
二人の言葉は何時になく真剣なも
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