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提督はBarにいる・外伝
狸の狐狩り
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ッとなったたこ焼きとか、食べてて悲しくなるからな。と、さっきまで騒がしかった方を見ると、叢雲の視線が龍驤の食べているお好み焼きに釘付けになっている。口の端から涎が垂れているのも気付いてないらしい。叢雲といがみ合っていた加賀も、チラチラとこっちを見ている辺り、一航戦の腹ペコ属性からは逃れられんらしい。

「……ウチは喧嘩はご法度だぜ、お客人だろうがウチの流儀には従ってもらう」

 一度閉め出されたらその日の内は出入り禁止。酷い場合には数日間の出禁。それがウチのルールだ、例外はない。

「煽ったのは君だろうに」

「煽られて喧嘩をする方が悪い。そこはアンタの監督不行き届きって奴じゃないのかねぇ?センパイ」

「……解った、私の敗けだ」

 ちょっとした意趣返しのつもりだったが、どうやら薬が効きすぎたか。

「それよりもウチの腹ペコ共に、お好み焼きを食わせてやってはくれないか」

「ちょっと!?私は食べたいなんて別に……」

「私もです」

 壬生森の身も蓋もない言葉に反論しようとする2人だったが、

「そうか……モダン焼きを2人前仕度してたんだが、要らないなら他の奴に」

「ま、まぁ?出された物を残すのも失礼に当たるし……ねぇ?」

「そうですね、店側の厚意を無駄にするのは無礼です」

 熱い掌返しで、そそくさと着席する2人。叢雲がポンコツなのは知ってたが、加賀もポンコツなのかよ……。

「ところで、本気かね?アメリカから賠償金を取るというのは」

「あぁ、本気も本気さ。ウチの店はツケは利くが、キッチリと清算させるのがモットーでね」

 今回は店だけじゃねぇ、鎮守府も痛い目に遭わされたんだ……100%搾り取ってやるぜ。

「……やれやれ、胃痛が続きそうだ」

 俺の顔を見て、壬生森の野郎はため息を吐いてやがった。解せぬ。


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