狸の狐狩り
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「他人の不幸は蜜の味、って昔から言うだろ?本人達には堪ったモンじゃないかもしれんが、横で見てる分には最高に面白いぞ?痴話喧嘩とか」
「はっ、煽ってその状況を作り出しといて良く言うわ。……あ、豚玉1つ」
「あいよ。……そう言いつつ止めないで傍観者に徹してる時点でお前さんも似た者同士だと思うがな」
「あはは〜……そりゃあ毎日あの手のやり取りを見せられるとなぁ。もどかしゅうてさっさと進展せぇ!って思っても仕方無いやろ?」
「あ〜……ドラマとかでもしつこすぎると飽きてくるわな」
そのもどかしさがイイ!って連中も一定数はいるとは思うが。
「せやろ?だからいっぺん、この辺でバチバチにやり合わせたらエエかな〜、なんてな?」
「面倒くせぇな。全員抱え込んだらいいだろうが」
「そらアンタやったらそれでエエかも知れんけど……」
と、チラリと龍驤が壬生森に視線を送る。
「生憎、私にはそんな度量も甲斐性も無いものでね」
しかし、壬生森は肩を竦めるばかりで取り付く島もない。
「この調子やからな、男の方が」
「難儀だねぇ。それなりに稼いでるだろうに」
「寧ろウチとしては、厳つい見た目のアンタがそんなにモテてるのが信じられんわ」
「男は見た目じゃねぇって事さ。なぁ金剛?」
「え、私はdarlingのマッチョなbody大好きですよ?」
「……聞く相手間違えたわ」
「まぁ、何にしろ俺に惚れる連中のきっかけはそれぞれだろ。人間の魅力ってのは1つや2つじゃねぇからな」
「そうですねぇ。青葉の調べによると、100人以上居る嫁艦及びその候補の皆さんにアンケートを取った所、大半の人が『料理が美味しい』か『逞しさ・強さに惚れた』という解答でしたね」
「逞しいはともかく、胃袋掴まれるんは強いなぁ」
「……いや、それ普通女が男をオトす時の手段じゃねぇのか?」
「どっちでもええんちゃう?最近は専業主夫も増えとるみたいやし。……で、豚玉まだ?」
「今あがるよ……っと。はいお待ち」
焼き上がった豚玉を、龍驤の前にズイッと突き出してやる。鉄板の上でジュウジュウと焦げるソースとマヨネーズの香りが立ち込め、その上では鰹節が舞い踊る。龍驤はコテを受け取ると、それを使って乱暴に切り分けるとコテで掬い上げて頬張った。
「あふっ!」
「当たり前だ。焼き立てだぞ?」
龍驤は口の中の熱を冷ますように、ジョッキに注がれたビールを流し込んでいく。その様はとてつもなく美味そうだ……やっぱり粉ものにはビールかハイボールだな。
「そんでも、粉もんは熱い内に食うのが一番美味いんやないか」
「まぁ、そりゃ否定せんが」
冷めてベチャ
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