純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 18
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クァイエット君。
切り札を出したつもりで大恥を掻き、最後には言葉を失って、唇を虚しく上下させるしかなくなったようだ。爆発しそうな頭が少々哀れに見えてくる。
しかし。
「やっぱり、ぷりしらさまに……」
「ミネットさん」
純粋な子供達は、クァイエットの複雑な心情を汲み取れるほどには成長していない。とにかくプリシラを嘘吐き呼ばわりした事を謝ってほしい一心で詰め寄ろうとして、ベルヘンス卿の手に引き止められる。
「大丈夫。プリシラ様への謝罪は、御本人にお任せしましょう。それより、私達をお手伝いしていただけませんか? 貴女とマイクさんのお力も必要なのです」
「? おにいさんを、おてつだいするの? みねっととまいくが?」
「お願いできますか?」
「んーと……」
此処を離れて良いのかと目で尋ねるミネットに、両手を下ろしたプリシラはにっこり笑って頷く。
「わかった! なにするの?」
「一旦、廊下へ出ましょう。マイクさんは、プリシラ様にご報告を済ませてください」
騎士と少年は何らかの報告の為に来ていたらしい。ベルヘンス卿に促されたマイクは、渋々プリシラに向き直った。
「うん。……プリシラ……さま。さっきは、ごめんなさい、でした」
ミネットの「嫌い砲」が相当効いたらしく、今度は素直? に頭を下げるマイク。続いて、持っていた小瓶をプリシラの膝の上に乗せつつ耳に顔を寄せ、何かを囁いた。
「……はい、よくできました。お疲れ様」
マイクの謝罪と報告をあっさり受け入れ、その金色の頭をよしよしと撫でるプリシラ。
「まいく、いいこ。いいこのまいくはすき」
ミネットもマイクの頭を撫でて、頬を染めた少年の手を取り、一緒に行こうとベルヘンス卿の前を歩き出す。
「では、失礼します」
「ええ。後はよろしくお願いします」
廊下に出たベルヘンス卿がプリシラと頷き合い、扉を閉め切ると、
「…………さて、と」
「なっ、なんだよ……っ」
プリシラはマイクが置いていった手のひらに収まる大きさの小瓶を片手に腰を上げ、恐怖で身を竦ませるクァイエットの直ぐ横に立ち、空いているほうの手を背凭れの上部にそっと乗せた。
見下ろされ、覗き込まれ。絶賛縛り付けられている最中の青年の顔が、盛大に引き攣る。
「……いろいろ言ったけど、クァイエット君は納得できてないでしょう?」
「っ! そんなの、」
「当たり前よね。実はこうでした、こうしていれば良かったのに、なんて、貴方にとっては結果論でしかない。人が一人亡くなっているのに、そうだったのか! とか、簡単に受け止められる訳がないわ。人の心はそんなに単純な造りをしていないもの」
「……っ」
ふっと眉尻を下げた美しい顔は、本当に哀しんでいるように見えて。クァイエット
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