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ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
第103話:Laser Lab
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彼らは例えるなら制御を失った兵器でこの世で最も危惧すべき者達で、レプリロイドを影で脅かす極めて悪質な組織なのだ。
政府に認められている組織な分、下手をしたらイレギュラーよりも危険な存在であり、彼らにレーザー兵器を渡したら鬼に金棒だ。
ホタルニクスはもう、彼等を信用することは出来ないのだ。
いずれ増長したイレギュラーハンターはその強大な力を持って、レプリロイド全体を“管理”し始めることだろう。
自分がそんな事態の引き金となってはいけない。
寧ろレプリロイドの未来のために、あの組織は存在してはならないのだ。
ふと、モニターに目を遣ると、1人のレプリロイドがセキュリティシステムを無力化しながら突き進んでいた。
「イレギュラーハンター…?いや、あれは…」
最初はイレギュラーハンターかと思っていたが、次の瞬間目を見開いた。
「馬鹿な…あれは…」
本来ならここにいるはずのない…いや、来る理由もない彼女がこの研究所にいる。
「何故あの娘がここにいるんじゃ…」
研究のためにあの娘の扱う高性能のメカニロイドから得るジャンクパーツを求めて、客として訪れることが多々あり、今では自分の数少ない自分の苦悩を理解してくれる友人。
ホタルニクスはウィルスに蝕まれた体を必死に動かし、何とか音声を彼女に伝えようとするが、ウィルスの影響で全く作動しない。
今のモニターもウィルスの影響で誤作動しているに過ぎないのだ。
「くっ…こうなったらわしが直接向かうしか…」
ウィルスに蝕まれ、満足に動けない体でルナの元まで向かえる可能性はゼロに等しい。
下手をしたら途中でイレギュラー化してしまうかもしれない。
しかしそれでも、このままここで見ているなどホタルニクスに出来るはずがなかった。
「数少ない友人を…未来ある若者をこんな所で死なせるわけにはいかん……」
モニターを見遣るとルナがいる場所はシグマウィルスが大量に繁殖している場所だ。
そこに彼女は戸惑うことなく入っていく。
「なっ!?」
自殺行為だとホタルニクスが驚愕するが、シグマウィルスを浴びても全く彼女に変化はない。
寧ろ、驚愕しているのは実体化したシグマウィルスの方だ。
「馬鹿な…?我がウィルスを受けて…」
「残念だったなあ、ご自慢のウィルスが効かなくて……さっさとくたばれ害虫野郎」
実体化したウィルスにショットを当てるとウィルスは霧散し、消滅した。
「き、貴様…何者だ!!?」
自身のウィルスが全く効かないレプリロイドにさしものシグマ(厳密にはシグマの人格を持ったウィルス)も驚愕するしかない。
「俺かい?てめえに名乗る名はねえ…俺はただの通りすがりのジャンク屋さ。」
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