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ある晴れた日に
159部分:共に生きその九
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共に生きその九

「だからある程度はカットするけれど」
「ああ」
「話の筋道は崩さないでね」
 こういうことも考えていた。
「それでいこうと思ってるけれど」
「音楽もそうだな」
「そうしてくれると有り難いよ」
 正道のこの言葉に頷いてきた。
「是非ね」
「ああ。じゃあそうさせてもらうか」
「頼むよ。まずは僕の家で実際のお話を観てね」
「それからだな」
「うん。正直頼りにしてるよ」
 ここでこうも言う竹山だった。
「音楽ってやっぱり大事だから」
「そうなんだよな」
 伊達にギターをいつも持っているわけではなかった。今もギターを自分の前に置いて手で持っている。そのうえで話をしているから言えるのだった。
「音がないのもそれはそれで音楽だからな」
「だよね」
「その静寂も考えて欲しいんだな」
「うん」
 かなり深い問いだが答えた竹山だった。
「その通りだよ」
「で、盛り上げる場面は盛り上げるか」
「頼むよ。この助六って主役がかなり強いけれど」
「それを生かすも殺すも音楽か」
「ウェートはかなり占めてるから」
 全てとは言わないがかなりと言うのだった。
「だからね」
「よし、じゃあ気合入れていくか」
「まずは皆にも観てもらうしね」
「やっぱりそうなるか」
「けれどとりあえずは音橋君に観てもらいたいんだ」
「音楽を知る為にだよな」
「何度も言うけれど音楽って大事だから」
 このことを何度も言うのだった。正道は彼のその言葉を聞くうちにそれはただこの劇においてだけではないのではないかとも考えた。しかしこのことも今は言葉には出さなかった。
「だからね」
「まずはそれで俺がか」
「他の演出とか脚本は僕の担当だしね」
「言いだしっぺだから当然だな」
「それに話は一番よく知ってるし」 
 そうした面からも彼しかいないのであった。
「だからやらせてもらうよ」
「そういうことだな」
「だからこそいい舞台にしたいしね」
「主役のあの二人はどうだ?」
「あの二人でいいと思うよ」
 明日夢と凛にはもう合格を出していた。
「やっぱりあの二人ってね」
「どちらも顔いいからな」
「それにスタイルもいいしね」
 実際に明日夢と凛はそのことで同性の女の子達からも評判になっている。他には恵美もそのプロポーションが見事だと言われている。このクラスは結構女の子の平均点は学校でも高い方だとされている。
「だからあの二人でいいと思うよ」
「演技力はどうだ?」
「北乃さんが特によさそうかな」
「もうわかるのかよ」
「雰囲気だけれどね」
 しかしわかるというのであった。
「それでもおおよそ」
「何か御前って凄い奴だな」
 正道はここまで話を聞いて述べたのだった。
「話聞いてるとな」

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