第六幕その十
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「毎日沢山食べているから」
「若し沢山食べないと」
一家の中心にいる初老の男の人が言ってきました、着ている服はオコホと同じです。勿論他の人達も男の人はオコホと同じ服で女の人はマンチキンの青いネイティブの女の人の服を着ています。
「動けないからね」
「牧場で働けない」
「だからですか」
「皆さん召し上がられていますか」
「いつも沢山」
「そうされてるんですね」
「そうだよ、君達も冒険をしているし」
それでというのです。
「沢山食べないと駄目だよ」
「じゃあお言葉に甘えて」
「そうさせてもらいます」
「凄く美味しいですし」
「それならです」
「私達も」
「本当に遠慮は無用だよ、遠慮はオズの国では無用だよ」
それも一切、というのです。
「だからね」
「沢山食べて」
「そうしてですか」
「冒険を続けるんですね」
「そうしないといけないんですね」
「私達も」
「そうだよ、頑張るんだよ」
まさにと言うのでした、そしてドロシーもです。
ステーキを食べてミルクを飲みながらこう言ったのでした。
「やっぱりバイソンのステーキもまたね」
「美味しいね」
トトが応えました、ドロシーの足元で食べています。
「本当に」
「ええ、食べていると」
それでというのです。
「幸せな気分になれるわ」
「これもオズの国ならではの料理だね」
「アメリカでも食べられると思うけれど」
現代、二十一世紀のアメリカでもです。
「牧場で飼っているとなると」
「いないし」
「だからね」
それでというのです。
「素敵な味よね」
「本当にそうだよね」
「だからね」
「ドロシーもおかわりするんだね、ステーキ」
「そうさせてもらうわ、それで二枚目は」
そのステーキはといいますと。
「あれよ。上にチーズを乗せて」
「そのチーズがゆっくりと溶けて」
「肉汁と混ざるのをね」
「食べるんだね」
「そうさせてもらうわ」
是非にというのです。
「二枚目については」
「それもいいね、しかしね」
「しかし?」
「ドロシーってステーキも好きだよね」
「ええ、大好物の一つよ」
ドロシーも否定せずに答えます。
「実際にね」
「そうだよね」
「だから牛肉のステーキも好きだし」
「どの部分でもね」
「豚や羊のステーキも好きで」
「今のバイソンのステーキもね」
「好きよ、ステーキを食べると」
どうなるかといいますと。
「元気が出るし」
「だからだね」
「余計に好きよ」
そうだというのです。
「本当にね」
「だから昔からよく食べるんだね」
「お菓子も果物もサラダも好きだけれど」
「ステーキも好きで」
「本当によく食べるわ」
トトに食べながら答えます、そのステーキを。
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