第7章:神界大戦
第201話「刻限」
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全ての世界の命運を背負った戦い。
そんな言葉だけを聞かされても、実感など湧くはずもないだろう。
「明日、嫌でも実感させられるでしょうね」
「神々が相手……それも、椿さんと違って規格外の力を持っている……」
確認するようなすずかの呟きに、皆が黙り込む。
実感が湧かないとは言え、危険性も全くない訳ではなかった。
規模が違ったとはいえ、規格外の相手とは戦った事があった。
それ以上が次は来ると思えば、楽観視などできるはずもなかった。
「……でも、諦める訳にはいかない」
「……うん」
なのはが分かり切った事且つ、忘れてはいけない事を改めるように言う。
フェイトも同意するように重々しく頷く。
「私達の力がどこまで通じるのか、それはわからない。でも、それでも戦えるのなら戦わなくちゃ。私達以外に、この世界で何とかできる人はいないから」
なのはは、既に覚悟が決まっていた。
いつもの不屈の心に加え、御神流を習得した事で、なのはは精神的に成長していた。
「それに……」
「それに、どうしたの?」
途中で言い淀むなのはに、すずかは気になって追求する。
「……ううん、何でもない。これは今度の戦いとは無関係だから……それに、私と奏ちゃんの問題みたいだからね」
「二人の?……って、もしかして……」
なのはの言葉に、アリシアがふと思い出す。
それは、二人の中に宿っている存在の事。
祈梨と優輝は正体を知っているが、二人はそれを知らされていない。
ただ、向き合う必要がある事は二人にも分かっていた。
「奏……」
「……大丈夫。向き合う覚悟は出来ているわ」
「……そっか」
自分が自分でない感覚を、奏は忘れていない。
自我というものが塗り潰されたような、その時の事を、奏はまだ恐れている。
しかし、後回しに出来る事でもなく、逃げる事も出来ない。
それならば、真正面から向き合うしかないと、奏は考えたのだ。
「……とにかく、私たちは戦うしかない。戦わないと、何も変えられないわ」
「そうだね。……うん、負けられないよね」
“正直に言えば怖い”。それがアリシア達の胸中を占める思いだった。
だが、それでも。
「(何もせずにいるのだけは、ダメだ)」
無抵抗であるのは、戦う前に諦めるのは、それだけはダメだとも思っていた。
………故に、戦う覚悟は決まった。
=なのはside=
「ただいま」
あの後、皆はそれぞれ家に帰って、私も帰宅した。
「お帰り、なのは」
「あら、帰ってきたの?」
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