第7章:神界大戦
第201話「刻限」
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なるものではなく、不安を抱えたものだった。
「……俺達は戦えない。無責任に応援する事しかできない。……だからこそ、信じてるぞ。優輝が、司さんが、志導さんが……皆が、勝って帰ってくるのを」
「ああ。……その“想い”を強く持ってくれ。それが、何よりも僕らの力となる」
それだけ言って、優輝達は帰路に就く。
その間に、優輝達の間に会話はない。
ただ、翌日に控えた決戦に臨むため、覚悟を決めて歩を進めていた。
「…………」
一方で、優輝が聡の家に向かった後。
椿と葵はとこよと共にいた。
「……思えば、随分凄い所まで来たね」
「そうね。最初の出会いから……今は神界の神々ね」
優輝との最初の出会いは、本当に偶然だった。
そんな出会いから、気づけばここまで来ていた。
「力不足で生き残ってしまって、とこよを探すのも諦めていたのに、気が付けばそのとこよとも再会して……」
「世の中何が起こるか分からないからね。そういう事もあるよ」
「当時いなくなった本人がいう事じゃないわよ……」
とこよが微笑みながら言い、椿は呆れる。
「二人共、彼の事がそれだけ好きなんだよね?」
「なっ……!?」
「……そうだよ。あたしもかやちゃんも、優ちゃんの事が好き。とこよちゃんに対する“好き”と違って、異性としてね……」
とこよの突然の言葉に椿が顔を赤くし、葵は普通に肯定する。
「あの時は恋愛に興味がなさそうだった葵ちゃんが、異性を好きになるなんてねー」
「……人を好きになるのに、理由なんてないのかもね。あたし自身、いつから優ちゃんが好きになったのかわからないから」
「そ、そうなの……?」
いつものような調子ではなく、どこか遠くを見るように言う葵。
そんな珍しい様子の葵に、椿は少し戸惑っていた。
「椿ちゃんは……どうだったの?」
「わ、私!?私は……」
「かやちゃんは、優ちゃんに色々助けてもらったから、その時じゃないかな?」
「なっ、何勝手に喋ってるのよ!」
顔を赤くしながら反射的に椿は葵を射る。いつもの照れ隠しだ。
ちなみに、葵はあっさりと簡易的な分身と入れ替わり、矢を回避していた。
「そっかー」
「ま、真に受けないでよ!?……確かに、間違ってはないけど……」
否定ばかりせずに肯定もする椿。
以前と比べれば、随分と素直になったものだと、葵もとこよも思った。
「……好きな相手、かぁ。……何気に、私にはいなかったなぁ」
「……そうね。好かれてはいたけど、それは親愛でしかないものね」
「そもそも同性だったしね。私にそっちの気はなかったし」
長年生
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