【日向の未来】
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大戦後に日向の呪印制度は廃止され、その後に生まれた呪印の無い分家の子らにハナビは、柔拳は元よりかつては宗家にしか伝授されなかった回天の修行をつけていた。
一昔前とは違い、分家でも実力さえあれば日向当主となれるようにもなっている。
──ヒマワリは普段は薄青眼だが、日向の血も引いている為かハナビが聞いた話では怒りをあらわにした際に白眼に切り替わった事があるらしく、実質開眼したとも言えなくもないが安定した白眼発動にはやはり修行が必要とはいえ、祖父や叔母は強要する事はせず、本人自らやる気を出したならやらせるつもりでいる。
最近では下忍になって任務につくようになった兄に感化されてかヒマワリは自分から柔拳を教わってみたいと言い出し、日向家に通っては分家の子らに混じって修行をするようになった。
「──ハナビお姉ちゃんは、どうして日向当主になろうと思ったの?」
ヒマワリはふと疑問に思って休憩中に縁側に座りお茶をすすりながら叔母のハナビと話す。
「どうして、か……。元々日向宗家の嫡子だった姉様、ヒマワリの母様が当主になるはずだったんだけどね」
「ちゃくし……?」
「跡継ぎの事よ、姉様は長姉だけれど跡継ぎには向かなかったの」
「何で?」
「日向一族としての才能が、足りなかったんでしょうね。五つ下の私にも負けてしまうくらいだったから」
「そうなんだ」
淡々としたハナビの話を、ヒマワリは特に不思議に感じてはいないようだった。
「それで私が姉様に代わって日向宗家当主の跡継ぎになったわけだけど、幼い頃からの修業はなかなか厳しかったわね……。けどそれは大して苦ではなかったわ、日向一族としての誇りもあるし、純粋に強くなりたいって思っていたから。父上との修行が趣味になるくらいにはね」
「すごいなぁ、ハナビお姉ちゃん」
「そうでもないわよ。……私よりよっぽど、ネジ兄様の方が凄くて、日向の才に愛されていたわ」
ハナビは懐かしい面影を追うように目を細めて虚空を見つめる。
「──本当はね、兄様が上忍になった頃から、分家だろうと日向の次期当主に最も相応しいのはネジ兄様なんじゃないかって思うようになって、当主の父上にもそう話していたの。……第四次忍界大戦後に、本格的な話し合いをする事になっていたんだけれど」
そこでハナビは一旦口を閉ざして俯き、小さく溜め息をつく。
「ネジおじさん、死んじゃったんだよね……わたしとお兄ちゃんの、お母さんとお父さんを守って」
「そう、ね……。私はその場に居られなかったけど、余りにも唐突だったそうよ。チャクラ切れで動けなくなったナルトさんにピンポイントで素早い術が放たれて、弾く間も無く近くに居た姉様がナルトさんを体を張って守ろうとしたその姉様を
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