【日向の未来】
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だから。ネジ兄様の父上で、私にとっては叔父上のヒザシ様の事だってそう。日向の嫡子でまだ幼かった姉様が攫われかけ他里と戦争にもなり掛けて、要求されたのは日向宗家当主の遺体の引き渡し……。それを阻止する為影武者となり分家として──ではなく、自らの自由の意思で里や日向の家族の為に兄に代わって死を選んだそうなの。……呪印制度が無くても、宗家分家に関係なく日向一族を守っていけるようにするのに、随分掛かってしまった」
「……うん」
「宗家にしか伝授されなかった回天は、今はもう分家だろうと関係なく教えているし、自分の身は自分でしっかり守れるようになってほしいからね。ヒマワリも、修行さえきちんとしていればきっと使えるようになるわよ」
「うん……!」
「──ハナビ当主、いつまで休憩してるんだ? 早く修行を再開してくれ」
そこへ、ハナビからするとネジの面影が垣間見える分家の少年が少し不機嫌そうに声を掛けて来た。
「あらヒネル、色々焦って習得しようとすると体が追いつかなくなるわよ?」
「そんなことない、オレは早くネジ様に追いつきたいんだ」
ヒネルはよくハナビに日向の才に愛されたネジの話を聴きたがる子で、生真面目でネジを敬称で呼ぶほどにとても尊敬していて、日向の次世代の子である彼の額には無論、日向の呪印は刻まれておらずすっきりとした額をさらけ出している。
「そんなに焦らなくても、あなたはとても筋がいいんだからちゃんと追いつけるわよ」
「そんな呑気なこと言ってられない、オレは次期当主を目指してるんだ。ネジ様のように、強くなりたいんだ」
「ふふ……そういうストイックな所、ネジ兄様に似てるわね」
「ほ、ほんと? オレってネジ様に似てるっ?」
ヒネルは頬を紅潮させて目を輝かせる。
「うーん、そうやってすぐ調子に乗る所は違うかしらねぇ。ネジ兄様はもっとクールだから」
「そ、そうだよな。クール、クール……」
呟くように言いながら表情をきりっとさせるヒネルがハナビには何やら可笑しく見えたが、本人は真剣そのものなので微笑ましく見守っておく。
「ヒネルくんは、次期当主を目指してるんだね。わたしはまだ、そこまで考えられないけど強くなりたいと思ってるよ。一緒にがんばろう!」
「張り合いがないなヒマワリ……、一緒に次期当主を目指すくらいの気概は見せてくれ」
「でもわたし、親戚だけど日向の一族じゃないし……」
「日向の血は流れてるだろ、それに……ネジ様の血だって」
「そうなのかなぁ」
ヒネルに言われてヒマワリは少し頬を赤くする。
「それはそうね、ヒナタ姉様を介して従兄のネジ兄様の血も受け継いでいるわよヒマワリは。まだ完全ではなくても白眼は開眼しているよう
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