三十九匹目
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吹き込むな」
いつの間にかクリスティナ様の背後にお婆様が居た。
「儂にはそんな権力など無い」
「お戯れを……。元老院は貴女の部下でしょうに」
「相談役じゃからな。国政への助言機関である元老院を統率するのは至極真っ当じゃろ」
クリスティナ様がくすりと笑った。
「シラヌイ様。貴方が国を欲したならば、いつでも協力いたしますよ」
そう言って、クリスティナ様は歩いていった。
「くゅーん?」
「ああ…。あれは王族嫌いの王族の典型じゃな」
「きゅー?」
「王族故に、かのぅ。じゃからクリスティナは未だに未婚じゃしな」
そんな物か…。
「クーよ、お主はああなるでないぞ」
「大丈夫です。私にはシラヌイが居ますから」
「さよけ…」
お婆様は国王様の所へ行った。
暫くするとメリーちゃんとセンマリカさんがクーちゃんに挨拶しに来た。
センマリカさんが会長を務めるアリエーソ商会はフライハイト王国最大手の服飾ブランドだ。
貴族向けの高級品や一般向けの量産品。
果ては金属鎧のインナーなどの布製軍需製品や官品、布製中間製品まで。
故にセンマリカさんがここにいるのはおかしくないのだ。
いやマジで恐ろしい話だ。
もしセンマリカさんの機嫌を損ねればフライハイト王国のさまざまな産業が頓挫しかねないのだから。
「むぅ……今日は、譲っておいてあげる。オヒメサマ」
「フン…。シラヌイは誰の物でも無いぞ」
俺の頭の上でクーちゃんとメリーちゃんがバチバチしてる……。
「おいおい。そこら辺にしといてやれよお前ら。シラヌイが困ってるぞ」
「きゅぅー」
仲裁に入ってくれたのはボーデンだった。
シャクティは止めなかったかって?
隙を見て俺をぶん盗るつもりだったっぽい。
ガチな目付きでクーちゃんとメリーちゃんの隙を窺っていた。
あんまりもマジだったから衛兵が構えようかどうしようか迷っていた。
ボーデンが俺を抱き上げる。
「くゃー…」
「面倒くせぇなぁ……。もう全員嫁にしちまえよ。そしたら解決すんだろ」
「うきゅ!」
「なぁに。お前の方が偉いんだから大丈夫大丈夫。不敬罪なんてかけられやしねぇよ」
ボーデンまで……。
ここはフライハイト『王国』なんだから。
その後はボーデンも含めて五人でだらだらと話していた。
どうもクーちゃんに貴族避けに使われてる気もしたが、無事にパーティーを終えた。
「シラヌイ様。この後お母様主催のサロンが開かれるのだけど来てみない?」
嘘ですよねクリスティナ様?
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