三十九匹目
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ロテア。
花言葉はまさしく『王者の風格』。
「国王様、最後にこの国にこの花を捧げます。
スイセンノウ。花言葉は『強国』です」
国王様の前で一礼。
「見事! 見事であったぞシラヌイ・シュリッセルよ! その幼さでこれほど精巧な宝石の花を作る才能誠に見事である!」
と威厳ある声で長々と誉められた。
近くに居るからわかるけど…国王様目が笑ってる。
恥ずかしがる俺を見てたのしんでいるのだ。
隣の王妃様も国王様に若干あきれている。
無事王族全員に宝石の花を渡し、魔力枯渇寸前でふらつく体に鞭打ってお母様と戻る。
(シラヌイ、シラヌイ)
お母様に小声で呼び掛けられた。
(ひとまず私の魔力を吸っておきなさい)
お母様に握られた手からエナジー・ドレインで魔力を回復する。
(お疲れ様です。シラヌイ)
「うきゅぅ………」
式典が終わり、場所を移してパーティーが始まる。
「くゃー……」
クーちゃんに呼び出された俺は獣化しておとなしく膝の上で撫でられていた。
曰く、ストレスがたまったからちょっと膝の上でおとなしくしていなさい、だそうだ。
「きつね君、お疲れのようだな」
「くゅー」
ドレス姿のシャクティがやって来た。
「あらシャクティ」
「姫様、本日は…」
「いいわよ、いつも通りで」
「ですが…」
「私より先にシラヌイに声をかけた時点で何をしても一緒よ」
「そうか、わかったよクーコ」
暫くクーちゃんとシャクティが話していると、クリスティナ様が来た。
シャクティが礼をする。
「面をあげなさいアーグロ嬢。わたくしは姪の友人にどうこう言うつもりはありませんよ」
「は」
シャクティが礼をやめる。
僕はどうしたらいいだろうか。
「こんばんは、シラヌイ様」
そう言って、クリスティナ様が僕に手を伸ばす。
頭を撫でられた。
「うーん…いい毛並みですね。抱き枕にしたいくらいです」
「くゅー…」
「ああ、立つ必要は無いですよ。堅苦しいのは先の式典で終わりです」
尻尾をもふもふしながらクリスティナ様が続ける。
「それに、表面上はともかくとして貴方の方が立場は上なんですよシラヌイ様」
「うきゅー?」
どういうことなの?
僕が王族より立場が上?
ここはフライハイト王国。
なのにフライハイト家より上?
「不思議ですか? 建国の英雄にして千年王国フライハイトの主であるタマモ様のお孫さんなのですから」
建国の英雄? 千年王国フライハイト?
「これ、クリスティナ。余計な事を儂の孫に
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