ターン7 傾国導く闇黒の影
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も見える瘤を作り出す。澄んだ夜の空気を駆逐するようにあちらこちらから瘴気が吐き出され、急速にぬかるんでいくその足元では半分骨になった虫が蠢き、血のように赤い沼が沸き上がる。
ユニゾンビ ☆3→☆4
「相も変わらず、汚らしい」
「自己紹介なら他所でやっとくれ、あいにくこっちは聞き飽きてんだ。ユニゾンビのもうひとつの効果発動!デッキからアンデット族を墓地に送ることで、フィールドに存在するモンスター1体のレベルを1だけ上げる。当然これにもユニゾンビを選択し、デッキからグローアップ・ブルームを墓地へ。この瞬間、ブルームの効果発動!」
ユニゾンビ ☆4→☆5
本来は下級モンスターに過ぎないユニゾンビが、2つの効果の重ね掛けによりレベル5にまで成長を遂げる。
が、糸巻の狙いはそんなところにはない。彼女の足元で沼地がもぞもぞと揺れ、瘴気と共に血のように赤い一輪の花が開く。この生なき世界にはあまりにも不釣り合いな、咲くはずのない場所に開いた仇花。その花弁から放たれるかすかに紅い色のついた芳香が、アンデットワールドに新たな活気をもたらす。
「グローアップ・ブルームが墓地に送られた場合、このカード自身をゲームから除外することでデッキからレベル5以上のアンデット族モンスター1体を選択し、そのカードをサーチできる。だがアンデットワールドが存在する場合、サーチの代わりにそのモンスターを特殊召喚することもできる。さあ、ひれ伏しな生者ども!ここじゃあ現世の威光だなんて、クソの役にも立ちゃしない。死霊を統べる夜の主、死霊王 ドーハスーラ!」
ずるり、とどこかで音がした。常に薄暗いアンデットワールドで、確かに何か巨大なものが動く気配がする。それは、巨大な蛇の下半身。それは、右手に握る黄金の杖。それは、両肩を守る髑髏の鎧。それは、朽ちて肉なき龍の顎。そしてその上で不気味に光る、冷たく知性を湛えた瞳……彼女のエースモンスターの1体にして時に追撃、時に滅殺とその気のむくままにあらゆる死霊を手玉に取る、アンデットワールドに潜むもうひとりの主。その名を、ドーハスーラと人は呼んだ。
死霊王 ドーハスーラ 攻2800
「なるほど。では増殖するGにより、もう1枚カードを引かせてもらいます」
「おう、引け引け。精々それで足掻いてみせな、カードを2枚伏せてターンエンドだ」
余裕ぶった態度……だが内心、糸巻は冷や汗をかいていた。はっきりいって今の彼女の初期手札は、あまり良いとは言えない状況だった。カードパワーが低いわけではない。実際アンデットワールドとドーハスーラ、そしてこの2枚の伏せカードは並大抵の相手であればそのまま蹂躙できるほどの布陣だろう。だが、目の前の男が相手となるとやや話が変わる。彼女の出した4枚のカードに、彼のエースモンスター
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