ターン7 傾国導く闇黒の影
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く選手として潜り込んでいたとは。逆に発見までに時間がかかりましたよ、それなりに参加メンツは厳選していたはずですので』
「……」
裏デュエルコロシアムに潜り込んでいる部下の名に、煙草を咥えたままの糸巻の眉がわずかに上がる。ここで彼がデュエルポリスだと掴まれたということは、少々まずいことになった。今すぐにでも回収に向かわねばならないが、そのための足はたった今お釈迦になったところだ。しかしこの後の行動パターンを脳をフル回転させて模索する彼女を遮るかのように、巴の声が続く。
『とはいえ、ある意味では幸いだったとも言えますね。ご安心ください、私たちは今回、彼に対し一切の手出しは致しませんよ。理由は貴女のことです、明日の朝には気づくでしょう。あまり愉快な話ではありませんが、モグラが我々の中にいたのは不幸中の幸いですよ、本当に。彼が今戦っているであろう決勝の相手は「後ろ帽子ロブ」……愛すべき我々の元同僚、ロベルト・バックキャップですが、少しばかり彼に、いえ、彼だけの話ではないですね。今回に限り、貴女の部下以外の誰に優勝されても困る状況なのですよ。それでは、また近いうちにお会いしましょう』
「……?」
不可解な話に眉をひそめるが、当然それに対する返事は返ってこない。夜の公園は、最初に彼女がここに来た時と同じように静まり返っていた。ただあの時と違い彼女のバイクは鉄くずとなり、地面には九尾槍による無数の穴が無残に開いている。明日の朝この公園の清掃人は、ここで地獄を見ることになるだろう。そして彼女の体に今も小さくうずく、あのデュエルを通しての痛み。それだけが、今の戦いが夢ではないと物語っていた。
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