暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン7 傾国導く闇黒の影
[17/20]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
悲鳴を聞きながら、先ほど自分が受けたダメージを彼女は思い返していた。あの時彼女が受けたその数値は、900。今発生したダメージのほぼ半分、つまり単純計算で彼の肉体にかかる負荷はあの時の倍近いことになる。それがどれほどのものなのか、彼女には予想もつかなかった。いくら世界に一度は見捨てられた身とはいえ、なぜそんな痛みを受け入れてまで、「BV」の開発を……その先にある世界への復讐を推し進める必要があるのかも。そして、その先にどんな未来が待っているのかも。

「これでアタシは、ターンエンド。このターンは1体もリリースが行われていないことで、シャドウ・ディストピアの効果は発動しない。そうだな?」
「ああ、この痛み……やはり、既製品とは一味も二味も違いますね。だからこそ、私たちの新たなる武器に相応しい!」
「聞く耳持たず、か。もう勝手にしてろ」
「ええ。私どもは勝手にやりますから、貴女もいちいち目障りに首を突っ込まないでいただけると有難いのですがね。現役を引退し、縁側で茶をすする余生というのも乙なものですよ?もっともそんな穏やかな老後など私が断じて許しはしませんが、それでもその前に泡沫の夢ぐらいは見せてあげましたよ。もっとも、それすらも全ては終わった話。今となっては何の意味もない仮定でしかありませんね。そろそろ無駄話はやめましょう、私のターンです」

 再び形勢が逆転したにもかかわらず、それを微塵も感じさせない態度のまま。

「サイバー・ヴァリーを召喚」

 サイバー・ヴァリー 攻0 光→闇 機械族→アンデット族

「サイバー・ヴァリーは3つの効果を持ちますが、今回私が使うのは2つ目の効果。このカードおよび私のモンスター1体を除外することで、カードを2枚ドローします。選ぶのは当然、シャドウトークンのうち1体」

 金属製の蛇のようなモンスターが現れたかと思えばすぐに消え、巴が追加で2枚のカードを引く。そして、その手に掴んだカードは。

「手札を1枚捨てることで速攻魔法、超融合を発動。貴女のフィールドに存在するバージェストマ・カナディア、闇黒の魔王ディアボロスは丁度どちらもトークン以外の闇属性、よってその2体を素材とします。確か貴女のバージェストマ、モンスターとしてフィールドから墓地に送られる場合には除外されるんでしたよね?」

 超融合。相手フィールドのモンスターも素材として融合召喚を行うことのできる、チェーン不可の速攻魔法。その特性上ディアボロスを輪廻の陣で除外することもできず、ただ墓地に戻るのを見つめることしかできない。彼の世界の中では、トークン以外のあらゆるモンスターが強制的にそのドラゴンへの素材モンスターに相応しい存在として書き換えられる。

「重なりし闇よ、そして集いし漆黒よ。千紫万紅をただ闇黒に塗りつぶし、咲き誇れ紫毒
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ