第五十話 冬休みその十四
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「絶対に」
「いやいや、案外親ってのは邪魔なのよ」
「そうなんですか?」
「動かないし口煩いしね」
笑ってこう言うのでした。
「だから私は旦那も出直したし」
「伏せ込みさせてもらってですか」
「そう。おみちを勉強させてもらってるの」
お家を子供さん達に渡してまでしてです。
「千里ちゃん達には迷惑でもね」
「迷惑なんてとんでもないです」
私は大石さんに驚いて返しました。
「いつもお世話になって」
「だといいけれどね」
「夏には修養科に行っておられましたし」
それで阿波野君には教会では会っていないです。ただ毎日詰所に来る元気な天高生ということで知っていてお話もしていました。
「二度目でしたよね」
「そうそう、付き添いだったわね」
二度目の修養科はです。
「行かせてもらったのは」
「講習も行かれてますし」
前期と後期があって前期の方にです。
「今度後期も行かれますね」
「そのつもりよ」
「本当に熱くて」
それで、です。
「私も見習わないと」
「千里ちゃんは私を見習うよりご両親を見習いなさい」
いつもこう言うのが大石さんです。
「私よりもね」
「お父さんとお母さんをですか」
「そうよ、お二人共とてもよく出来た人だから」
「だからですね」
「親でもいい親と悪い親がいるけれど」
「お父さんとお母さんはですね」
「とてもいいお父さんとお母さんだからね」
だからだというのです。
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