外伝〜緋の魔女との邂逅〜
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ようでは”他の至宝”の二の舞、三の舞。生涯を終えようとする老いぼれがあまりに格好がつかぬだろう?』」
「………っ……………!!」
「クロスベルの至宝―――幻の至宝か…………」
リアンヌを通しての今は亡き友の言葉を聞いたローゼリアは息を呑み、心当たりがあるリウイは重々しい口調で呟いた。
「―――”私”にとっても、これはただの個人的な”意地”でしかありません。大切な友人に、そんなものを背負わせるわけにはいかないでしょう?」
「……………………ッ…………揃いも揃って……………………水臭くて、救いようのない阿呆どもが……………………いや…………一番の阿呆はそれに気づけもせなんだ妾か…………」
リアンヌ・サンドロッドの自分への心遣いを知ったローゼリアは寂しげな笑みを浮かべた。
「……………………それで、リアンヌはヌシに賭けた方が”元凶”を滅ぼせる確率が遥かに高いと言ったが、本当にアテはあるのか?」
「ええ、それは――――――」
そしてリアンヌはリウイと共にローゼリアに今後の事を伝え始めた。
〜同時刻・帝都近郊・ヒンメル霊園〜
一方その頃アンゼリカはバイクで一人、帝都近郊にある霊園の中のある墓に訪れていた。
クロウ・アームブラスト
S1184〜S1204
「一年ぶりか…………」
クロウの墓を見つめて呟いたアンゼリカは寂しげな笑みを浮かべた後持ってきたシャベルを支えに立ち上がった。
「フフ…………違っていたら煉獄行きは確実だろうね。」
そしてアンゼリカは何と墓の下を掘り返し始めた!
「…………っ…………!やっぱりか。…………”土の匂いしかしない。”」
墓の下を掘り返したアンゼリカはクロウの遺体を見つめて呟いた後遺体に近づいて遺体の状態を確かめた。
「…………屍ではなく、ましてや仮死状態でもない。骨格や関節までも再現した精巧な”ダミー”というわけか。」
「―――気づいちゃったんだね?」
アンゼリカがクロウの遺体を調べていると突如青年がアンゼリカに声をかけた。
「!!…………ああ。あの時、あいつの葬儀を手配してくれたのは君だった。”蒼の騎神”を軍に引き渡した時も技術者として同行していた。そして大陸各地の工房巡りの最後にコネを利用してメンフィル帝国領となった旧共和国領のヴェルヌ社とハミルトン博士を訊ねたそうだが―――…………既に博士は旧共和国領から離れていて、君の訪問記録がない事もわかっている。」
自分にとって馴染み深い声を聞いて目を見開いたアンゼリカは青年に背を向けたまま呟いた。
「そういえば、君のお師匠様は旧”中央情報省(カルバードCID)”の室長だったか。迂闊だったな…………まさか直接、確認されるなんて。」
「この3ヵ月、何をし
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