お休みなさい士郎くん
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しい。仲間を求めて彷徨っていた所、銃声を聞き駆けつけてくれたようだ。
「しかし最低限の情報は入手してあります」
「土地名、時代、敵と現地の勢力か?」
「ご賢察です。ここは北米、年代は西暦1782年で、敵はケルト戦士です。残念ながら敵首魁は不明ですが……現地のアメリカ軍は頑強に抵抗しています。指揮官はジョージ・ワシントンだそうです」
「……アメリカ独立戦争終結の一年前か。なるほどな、アメリカが独立出来なければ人理は崩壊する。特異点化には持ってこいという訳だ」
だが些か腑に落ちない。アメリカの独立を阻むのが魔神柱の目的ならば、どうして無辜の民を虐殺している? もっと別に合理的な手段はあるだろう。敵サーヴァントの暴走か?
情報が無さ過ぎる、今は考えても無駄か。
それよりも今は猛烈に疲れた。怪我の応急手当は小太郎がしてくれたが、とにかく休みたい。手当てだって足りてない。魔力を使わずに済ませたかった。
小太郎がいつの間にか俺を担いでいた。疲労から意識が朦朧としていたら、彼は急いでとりあえずの拠点に連れて行ってくれたらしい。西部劇であるような、閑散とした町だ。人気はない。
聞くと、どうやらここの住人はケルトどもに皆殺しにされたようだ。生き残りはいなかったと。小太郎はケルトどもを倒し、ここを拠点としていたようだ。食料や水、小さな町医者の医院もあったが、どこか侘しい。
包帯やら何やらを巻いてくれる。介護されてるようで恥ずかしいが、本当に何もする気になれないので甘んじて受け入れた。食料も簡素ながら料理してくれて、提供してくれる。ほんといい子だな小太郎……。
それから、寝た。只管に寝た。魔術回路も通常の状態に戻っていく。その間何度かケルトどもが襲撃して来たが、全て小太郎が撃退してくれた。俺には休んでいてくださいと言って。労う為に料理を振る舞うと、泣いて喜んでくれた。おいおいと苦笑する。英霊は腹ペコばかりなのか?
……二日が経った。
何度も故障を疑ったが、通信機の表示する時間はまだ一時間も過ぎていない。どういう事だ? まさか時間感覚が狂っているのだろうか。念のためリハビリがてらに宝具を多種投影し、自身の状態異常を解析したり、解除してみようと試みたが何も変調はない。体の新陳代謝も正常なペースで進んでいる。
体、魔術回路、共に解析して正常。かといってカルデアの通信機が示す時間は異様なまでに遅すぎる。嫌な予感がした。俺に異常がなく、多機能型の通信機も故障していないなら、おかしいのはそれ以外という事になる。
日に十二回、通信を試みたが応答はなかった。……精神を統一し、世界の異常を感じ取ろうとするも、なんとなく薄い膜に包まれている気がした程度。広大極まる範囲を結界が覆っている……? そんな曖昧な感覚だ。気のせいかもしれ
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