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ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
第98話:Enigma
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を叩きモニターの画面上に巨大な砲台の映像を映し出す。

「え?あの…これって…」

「今から約100年前の大戦時に建造されたと言われているギガ粒子砲・“エニグマ”だ」

「これはこれは…随分と古臭い物を引っ張り出してきた物だね。兵器として出すより骨董品として売り出した方がまだ良いんじゃないかな?」

だがシグナスの説明を聞いても周囲の反応はゲイト同様に冷ややかなもので、寧ろ落胆の空気が蔓延していくのが目に見えて分かる。

エニグマは最新式の同型兵器に比べ命中精度やエネルギー効率などで大きく性能が劣るばかりではなく、既に数十年に渡りまともな整備も行われていないため今では正常に作動するかどうかすら危ぶまれているのだ。

そればかりか、場合によっては暴発しユーラシアが落下する前に地上に甚大な被害を及ぼす危惧さえある。

そんな物に縋らざるを得ないのだから、つくづく今の世界が直面している事態の絶望さが実感出来ると言うものだ。

「そして、エニグマ作戦が失敗した場合のもう1つの作戦がスペースシャトル作戦。出来ればあまり使いたくはないけれど。ハンターベースのシャトルに大量の爆薬と大容量エネルゲン水晶液タンクを積み、それをユーラシアに激突させる作戦ね。それもシグマウィルスの影響でオートパイロットが機能しないため、誰かが操縦してユーラシアに向かうと言うまさに命懸けの特攻作戦と言う事になるわ」

更に告げられたエイリアの言葉に場の空気が凍りつく。

エニグマによる狙撃作戦にしろスペースシャトルによる特攻作戦にしろ共に成功率はあまりに低く、しかも命の危険さえ伴う。

誰もが絶望感に打ちひしがれ、言葉さえ満足に発する事が出来ない状況でそんな一同を見回しながらシグナスが言う。

「言ったはずだ。我々までが絶望する訳には行かないとな。どちらも極めて危険で…しかも成功率に関しては殆ど賭けだ。しかし…それでも可能性はゼロでは無い。無論シャトルによる特攻は最終手段だ。今は限られた時間の中で出来る限りエニグマを整備し、ユーラシア狙撃の体勢を整えるのだ。で、ダグラス。エニグマの状況は…」

「簡単なチェックをしてきたが、ハッキリ言って使い物にならねえな。整備もなしに放置されていた期間を考えれば思ったよりは老朽化はしていなかった。発射による暴発の心配はねえが、それでもこんな状態じゃ大気圏を貫いてビームを放出出来るまでの出力が発揮出来るかどうかは微妙な所だ」

ダグラスはプロの技術屋であるために事実は事実として淡々と述べる。

「そこでまずはエニグマを最低限稼動可能とするため、エックスとゼロ、ルイン。お前達3人でエニグマ補強の為のパーツを収集してきてもらいたい」

「俺達…3人だけでか?」

迅速にパーツを集めなければならない状況
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