黒星団-ブラックスターズ-part1/シエスタのアイデア
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名をつけた。だが、王室と姻戚関係でもある公爵家の息女であるがゆえにプライドの高いルイズのお気に召すことはなかった。
「ええ〜。かわいいのに」
「良くないわ!おそれ多くもこのヴァリエール公爵家三女の私に向かって…」
「そんなことはどうでもいいから、要件を言えヴァリエール。俺たちに何か用があるんだろ?」
(こ、こいつらぁ…貴族を何だと思ってるのよ!!)
実家の家名を誇っているルイズにとって、あまりのぞんざいなコメント。シュウの淡々とした言動にルイズはピクピクとこめかみをひくつかせた。二連続でナメた態度を取られながらも耐えていた。しかしここで爆発させてしまうと、せっかくこの男に振ろうとした話がうやむやになってしまう。
「いいわねシュウ。明日はあんたも街に向かいなさい」
「は?」
いきなりの要求に、意味が分からないとシュウは首をかしげる。
「なぜ俺まで行かないといけない?」
「あの犬のことだから、自分に言い寄る女の色香にすぐコロッと行っちゃうんだから、監視役が必要なの。本当なら私が行くべきだと思うけど、知っての通り私はこの学院の生徒だから、平日から授業をサボるわけにもいかないし、舞踏会を開催させるためにみんなを説得する必要もあるの。だからサイトの監視役にあんたを任命するわ。ヴァリエール侯爵家の三女の私があんたに頼ってあげてるんだから感謝しなさいよね」
通りで、よく一緒にいるサイトやハルナのいないところで接触してきたわけだが、
「寧ろ大迷惑だ」
「なんですってぇ!?」
シュウにはあまりにもめんどくさいだけだ。速攻で断ってきたシュウに、ルイズは声を荒げた。
「シエスタの条件は、平賀と二人での外出許可だ。俺たちまで出張ったら約束を反故にする。
それに普通に考えてみろ。何が楽しくて他人のドロドロとした恋愛事情に首を突っ込まされないといけないんだ。自分たちでそのあたりはどうにかしろ。だいたい、頼ってきたことを感謝しろとか、貴族以前にそれが人にものを頼む態度か」
当たり前の正論。ルイズはぐぐ、と押し黙る。自分だってキュルケやギーシュのような、見境なしな恋愛事情など眼中に入れたくなかったのだから。上から目線での頼まれごとも、相手がアンリエッタでない限りプライドの高い彼女にとって絶対に頷きたくない。
…が、今度はあることに気が付いて彼女は顔を赤らめた。
「…って、何が恋愛事情よ!その言い方じゃ、わ…わわ…私があのバカ犬のことが…す、すすす…す……す……」
(…これでバレてないと思ってたのかこいつ…)
「な、何よその目は!べ、別にあんな犬のことなんて何とも思ってないんだからね!」
今のシュウの言い回しを聞いて、サイトへの隠しているようで結局隠せていない本音をひた隠しにしようとするルイズだが、狼狽えまくりなものだからますます隠し通せなくなって
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