黒星団-ブラックスターズ-part1/シエスタのアイデア
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なにがなんでも覚えさせようという意思からか、ルイズは念入りにサイトをたじろかせるほどに脅して、今回の外出を許諾した。シエスタは皆に見えない角度で「計画通り…」等と、いったいどこからが計画通りなのかわからないが、酷薄な笑みを浮かべて勝利を確信した。当然ルイズのあの警告など無視するつもりだ。この機会にサイトとの距離を一気に縮め、あわよくば彼と…
が、ルイズが念を押したのはサイトだけではなかった。
その夜のことだった。
「ふむ」
シュウは机の上に、蛇のおもちゃといくつかの機材と工具を並べ、スパナやドライバーを使って蛇のおもちゃを弄っていた。それを寝間着姿のテファとリシュの二人が、不思議そうに眺めている。
「それなぁに?」
リシュが隣の椅子からテーブルの上を覗き見て尋ねてきた。
「コルベール先生から借りたものだ。ある発明品を作るための実験機材として作ったらしくて、うまくいけば空を飛べるらしい。この空を飛べる機能を利用して舞踏会の飾りつけに利用しようと思うんだ」
「こ、これを飾り付けに?」
テファはシュウが今弄っている蛇のおもちゃに目を落とす。これは空を飛ぶことが可能だというらしい。蛇が舞踏会会場の華やかな天井を飛ぶ。イメージをしてみたが、なんだか風情としては気味が悪い。
「別に華やかな舞台に爬虫類を仕掛けてドッキリを狙うつもりはないぞ。…案外、お前は結構ないたずらを思いつくんだな。リシュならわかるけどな」
「べ、別にいたずらしたいわけじゃないよ!?」
「シュウ兄、なんか馬鹿にしてる?」
いたずらっ子認定されかけたことにテファは即座に否定を入れ、リシュは不満げに口を尖らせた。
「冗談だ」
「そんな真顔で冗談言われても…」
意地悪なんだから、と心の中でテファはごちた。でも、ついこの間まではこんなことは言わなかった。ずっと切羽詰まっていた彼の心に、余裕が出てきたのかもしれない。そう思うと安心感も出てくる。…意地悪なことは言ってほしくないが。
不意に窓の外の闇と月の光が目に入る。もう就寝時間だ。
「シュウ、そろそろ遅いから寝ましょ?」
「そうだな。リシュ、そろそろ寝るぞ。寝る前にトイレに行っておけ」
「はーい」
リシュは部屋の入り口に向かう。すると、リシュが扉のドアノブに触れようとしたところで、駄礼かが扉をノックしてきた。こんな夜更けに来訪者。何用だろうかと思いシュウが扉を開けると、そこにはルイズが立っていた。
「あ、ルイルイだ!」
「る、ルイルイ…!?」
リシュが無邪気にルイズを見て笑うが、変な呼び方をされてルイズは絶句する。
「…あのねリシュ。その呼び方は止めなさいって言ったでしょ?」
実は以前、ルイズとリシュが初めて顔を合わせたとき、タバサがリシュから「サッちゃん」と呼ばれた様に、ルイズにも仇
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