黒星団-ブラックスターズ-part1/シエスタのアイデア
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「…平賀、着いて行ったらどうだ。悪い話じゃないと思う」
シエスタが勝ち誇った笑みをルイズとハルナに見せつけていたのが目に入ったが、あまり気に留めずシュウがシエスタの要求を呑むことを促してきた。サイトも、この条件自体は特に何かしらのリスクはないので、乗っても良いかもしれないと思い始める。
「そうだな。じゃあ…」
「勝手に決めないで頂戴!サイトは私の使い魔なんだから!」
「そ、そうだよ!」
ルイズとハルナは、正直断りたかった。この女は間違いなくサイトに急接近するためにこの取引を持ち掛けてきている。しかも自分たちは邪魔者として避けている。自分たちの女の勘が囁いている。この女の要求を呑んでは危険だと。
「ルイズ、悪いけど今回はシエスタの要求を呑むよ。その方が舞踏会が開催しやすくなるだろうし」
「な、なんでよ」
「いいから聞けって」
サイトは真剣目をしてルイズたちを見て、訳を説明した。
「俺たちが空賊の船の捜索に行ってたちょうど同じころに、学院…襲われただろ?その時シエスタ…一番頼ってた俺がいなくて不安だったと思うんだ。だからさ…」
ちょうど後ろにいたシエスタを振り返り、再びルイズたちを見て、サイトは罪悪感を顔に出した。
闇の巨人であるメンヌヴィルによって魔法学院が襲撃を受けたとき、シエスタは一番にサイトを求めていたのに、そんなときに限って助けに行ってあげられなかった。あの時現場にはシュウがいてくれたから、彼女も無事で済むことができたのだが、シエスタを不安にさせてしまい、申し訳ない気持ちが出てくる。だから要求を拒めるはずがなかった。
…それに、先ほどのシエスタの、この世界におけるコーヒーに対する話にて「コーヒーが最近になって噂になった新種の飲み物」という気になることを耳にした。それがどうしても引っかかる。サイトには、なんとなくそのコーヒーが何者かによって持ち込まれたものではないのかと勘ぐらされた。
「それにルイズも、今は平日…本当なら学業に励まないとダメだろ?その期間を使って舞踏会を開催するために生徒のみんなを説得しないといけない。みんなを説得するには、同じ貴族であるルイズにしかできないことだよ。それまではハルナがルイズのことを見てやってくれ」
サイトからそこまで言われ、ルイズは言い返す言葉を見失った。確かに、次の虚無の曜日までは平日、つまり自分達は学生として勉学に励まないといけない。舞踏会の準備はそれまでの合間を塗っての活動だ。何より、ルイズにしかできない。その言葉はルイズにサイトからの頼みを飲み込ませる決定だとなった。
「仕方ないわね…わかったわよ。あんたの頼みは聞いてあげる。
でもサイト、言って聞かせても忘れるかもしれないけど、よーっく記憶しておきなさい。
シエスタに下心を沸かせて近づいたら……殺すわよ」
「し、しねぇよ
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