黒星団-ブラックスターズ-part1/シエスタのアイデア
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ス・ヴァリエール、焦ってはいけない。気が逸りす
ぎるとかえって失敗しやすくなってしまいますよ。クロサキ君だって寝坊したくてしたわけではないのですから」
「は、はい…申し訳ありません…」
コルベールの指摘で、またいつものごとく大声を出してしまったことに気がついたルイズは大人しくなる。
しかし一方で、ルイズとは逆にシエスタはサイトに対して感情を爆発させていた。
「ひどいですよサイトさん!私に会いに来てくれる頻度が少なくなっているばかりか、黙ってこんな大がかりな出し物の準備をしていたなんて!私にも言ってくださればお手伝いを引き受けていましたのに!」
「ご、ごめん…」
大人しめな性格に反して珍しく怒っているシエスタに、サイトは気まずそうになる。思えば確かに、最近シエスタとはほとんど会う機会が少なくなっていた。アンリエッタからの任務、それに伴う怪獣や星人との戦いが立て続けだったこともあり、この世界に来たばかりのころと比べると、シエスタと接触する機会がめっきり減っていた。そしてようやく学院に戻ってきたのに、今度は舞踏会を生徒たちと共に開くために準備活動。お互いに会話する時間が戻るかと思いきや、ほんの少し程度しか戻らなかった。
「私たち平民の方でも、皆さんが行おうとしていることの噂は耳に入っているんですよ。だから私にも何かサイトさんから申し出があるのではと、一日千秋の思いで待ってたのに、それなのに私を放って、ミス・ヴァリエールやハルナさんといちゃこらしながら………」
「い、いいいちゃこらなんてしてないわよ!」
「そ、そうですよ!!」
二人を妬ましそうに睨むシエスタに対し、ルイズとハルナはそれぞれ反論する。結局のところ意中の相手であるサイトが自分を頼ってくる気配さえなく、同時に…というか何より接触してくる機会がなかったことが不満だった。
「本当に悪いと思ってるんですか、サイトさん?」
ズイッと、シエスタはサイトに顔を近づける。いつもならキスでもできそうな至近距離に下心を擽られるはずのサイトだが、シエスタが放つプレッシャーに喜びが沸かず、寧ろ恐ろしさを覚える。
「なら、私のお願い、一つ聞いてもらえますよね?」
「お願い?ああ、わかった。俺にできることならなんでもやるよ」
シエスタと会って話す機会が減り、機嫌を損ねてばかりになりつつある。そう思ったサイトは自分にはシエスタの我儘を聞かなければならないと思っていた。
「言いましたねサイトさん!日本人に二言はないですよ?」
「あぁ、わかってる。それで、俺は何をすればいい?」
できればあまり舞踏会開催までのスケジュール等に響かなければいいのだが、とサイトは懸念しつつも、シエスタからのお願いに耳を傾ける。
が、一方でルイズとハルナも食い入るように二人の会話を凝視していた。意中の男が、ずっと放り出さ
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