黒星団-ブラックスターズ-part1/シエスタのアイデア
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微笑みから凄まじいプレッシャーがほとばしる。サイトの頭から冷や汗が滝のように流れ落ちた。
アキナという第二の人格を持つようになって以来、ハルナは不機嫌になると闇の人格であるアキナが表に出るようになっている。つまり…今のハルナは機嫌を損ねていた。
サイトたち三人の間に不穏な空気が流れている一方、キュルケはホールの景色を見渡してうっとりしていた。
「ここで舞踏会なんて素敵だわ。このことを話したらみんなの考えも変わるかしら」
「それは難しい」
タバサがそう言うと、クリスもそれに同意する。
「うむ…このような場所に平民を入れるのか、と反対するだろう」
「貴族って見栄っ張りだもんな…」
「な、何よその目は?ご主人様に何か言いたいことでもあるわけ?」
サイトは不意にルイズに視線を寄せる。ルイズに限らず、トリステイン貴族のプライドの高さは厄介なものだ。でなければギーシュたちも今頃自分達の活動から外れたりはしないはずだ。
「ところでクロサキ君は、まだ来ないのかね」
ふと、いつもならいるはずのシュウがまだ来ないことをコルベールが気にし始めた。サイトも、彼の部屋を一度訪れたものの、珍しく彼が深く寝入っていたのを見てこれまでの戦いの疲れが抜け出ていないからだろうかと思い、起こすのを思い止まった。
その時ホールの扉が開き、シュウがようやく皆の前にやって来た。彼だけではなく、このときはシエスタもいた。
「みなさん、やっと見つけました。こちらにいらしてたんですね」
「遅くなってすまない。ここまで彼女に案内してもらっていた」
シュウは寝坊したことを皆に詫びた。
「シュウが寝坊だなんて、珍しいよな」
いつもしっかりしてそうな割に、珍しく抜けた一面を見せただけに、サイトも意外に思った。
時間はすでに昼休み。寝坊というにしてもかなりひどい起床の遅れだ。
「だらしないわね、うちのバカ使い魔でも今日は早起きよ」
(誰かさんが目覚まし時計代わりに起こせってうるさいからな…)
きつめの注意を口にするルイズだが、サイトは訝しむような視線を送る。
「ヴァリエールの怒りももっともだ。変な夢ばかり見るようになって気が緩んでいたかもしてない」
(夢…?)
変な夢、と聞いたとき、なぜかクリスの目付きが鋭くなった。
「夢ですって?言い訳にしたってもっと言うべきことが…」
いつも偉そうにしている、と自分が思ってる男が遅刻したと聞いて、咎めるように言うルイズに、ハルナとサイトがそれぞれ口を挟んだ。
「ルイズさん、そんな風に言ったらだめですよ」
「まぁ、一回くらいの寝坊くらい気にすんなって。あいつは今まで頑張りすぎてたんだしさ」
「あんたは暢気すぎるのよ!わかってるの?もうすぐ期限の虚無の曜日が迫っているのよ?もしその日までみんなの説得ができなかったら…」
「ミ
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