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3章 穏やかな日々
30話 立ち直り
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がいた。クラインだけがつかれているところを見るに、恐らく整竜連合のトップと一騎打ちをしたのだろう。


「それで、アイテムはどうだったんだよ?」
「…死んだ人には使えなかった。死んで10秒以内に使用すれば、確かに生き返るらしいけど…」

 ツカサの手に握られた、眩い宝石は、今はその眩さが忌々しく思えてしまう。


「これはクラインにやるよ。…だれか目の前で死んだ仲間に使ってやってくれ」

 ツカサはそう言うと、クラインにその宝石を放った。

「とと、って、俺が持ってるよりもお前たちが持ってるほうがいいんじゃないか?」

 危なっかしくキャッチしたクラインは、怪訝そうな顔を浮かべる。だが、リアは首を振った。

「いいんだよ。私たちには必要ない。…ああ、あと、ボスからドロップしたアイテム、全部あげるよ」



 リアとツカサはそういうなり、トレードウィンドウを開き、クラインが何か言う前にすべてクラインに送ってしまう。

「お、おいおい、気前良すぎやしねぇか?」
「今回のお礼。受け取ってよ」

 クラインは、リアとツカサが言い出したら聞かないたちだということを知ってか、あっさり引き下がった。

「…わぁったよ。ありがたくもらっとくわ。…それで、キリトのやつは?」

「…結構まずいと思う。今から追いかけてみるよ」
「ああ、よろしく頼む。今のあいつを救えるのは、お前たち二人だけだろうからな」


 リアとツカサは、ゆっくりとうなずくと、転移結晶を取り出し、キリトの後を追いかけた。
 



―?―?―?―?―?―?―?―?―?―

「キリト…?」

 ミュージエンの街のはずれにある小さな宿屋。穴場のため、キリトが現在拠点にしている場所だ。どの部屋を使用しているのかも知っているため、部屋をノックしてリアが呼びかけてみるが、応答はない。

 リアとツカサは顔を見合わせる。ツカサが試しにドアノブに手をかけると…

 ガチャリ

 という音をたて、あっさり開いた。恐らく、パーティーメンバー開錠可の設定になっていたのだろう。ボス戦からまだパーティーを解除していなかった。


 ドアがゆっくり開かれると、簡素なベッドに、一人の少年がベッドに腰を掛け、頭を抱えていた。


「キリト…」

 キリトの体からにじみ出る絶望のオーラに、リアでさえもキリトに近づくのを躊躇する。

「…なあ、リア姉、俺はただの人殺しだ…俺のせいであいつらを殺して、結局サチすらも救えなくて…俺は…俺は、どうすればいい…?俺に生きている価値なんて、あるのか…?」

 キリトの濡れた声によって話される話の重さに、リアは、一瞬なんといっていいのか、返答に困り詰まる。




 そんな
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