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人理を守れ、エミヤさん!
第四特異点『魔霧瞬殺マラソン』
全力疾走だねネロちゃま!
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「……急ぎましょう、ネロ。どうにも嫌な感じがします」
「直感という奴か? ……うむ、一刻も早くシェロの許へ行かねば、シェロが老いてしまうのだったな」
「それもあります。しかしそれ以上に……なんというか、シロウが良からぬ事を仕出かしている気がしてならない。シロウの許へ急行し問いたださねばならない気が……」
「シェロなら大丈夫ではないのか?」
「ネロはシロウの事を美化して見過ぎです! 彼を侮ってはいけない、どこの馬の骨ともしれない女に誑かされていてもおかしくはない……!」
「う、うむ……?」

 可愛い子なら誰でも好きだよ、オレは――とは錬鉄の弓兵の台詞である。そんな彼と妙なところで似ている士郎なので油断は禁物だ。
 なお英霊エミヤは、第四特異点に向かうネロやマシュの為に携帯食料を持参してきていたが、アルトリアがネロと話し始めたのを目撃した瞬間にロマニに食料を押し付け離脱していた。スタッフの食事でも作りに行くと言って。見事な状況判断である。

「よし、準備は万端だ!」

 ロマニが手を叩く。皆の注意を集め、彼はエミヤに預けられた荷物をマシュに渡した。大楯にそれを収納したマシュを尻目に、ロマニは作戦の概要を説明する。

「第四特異点の詳細が判明した。時代は西暦1888年、産業革命時代の霧煙る帝都ロンドンだ。だが、どうやら街全体が謎の霧に覆われているらしい」
「霧に?」
「ああ。念のため毒ガスを警戒してマスクの装着を、と言いたいところだけど。マシュと仮契約しているなら問題はないだろう。この娘の霊基は毒への耐性が強い、加護という形でネロさんを守るだろう」

 そうなのか? とネロが訊ねると、マシュは首をひねる。ロマニは苦笑した。魔術王の霊基が、ロマニに人ならぬ視点と洞察力を与えているのだ。いや『復活させている』という形容が正しい。
 ともあれロマニは説明と推測を交えながら続けた。

「第四特異点は最長二日でケリをつける。魔神柱は士郎くんを人間の寿命で殺すつもりなんだろうから、持久戦に持ち込もうとしてるかもしれないが、逆にそれは好都合だ。こちらの行動は完全に相手の意表を突くだろうからね。敵首魁を速攻で見つけて速攻で倒せる。最終攻撃はアサシンの奇襲、二段目でランサーの宝具、それで仕留められなかったら三段目に騎士王の聖剣だ」
「うっ……流石シェロ、えげつないな……」
「慣れましょう。先輩はえげつない事を絶対するので」

 マシュは悟りを開いた菩薩のような目をする。ネロは聞かされた作戦の詳細から、それが俗に言う『嵌め殺し』になる事が容易に察せられたのだ。
 逆に敵が可哀想だとすら感じる。士郎の作戦案に対する不安はなかった。士郎の考察が記されたデータには、説得力が大いにあった。

「士郎くんの作戦案は2パターンあっ
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