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英雄伝説〜灰の軌跡〜 閃V篇
外伝〜ミルディーヌ・ユーゼリス・ド・カイエン〜前篇
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ゼさんの目の前で堂々とそんな宣言ができるよね、ミルディーヌは…………」

「ハア…………本当にこの娘はもう…………」
エリゼの自分への呼び方にミルディーヌ公女はわざとらしく寂しげな笑みを浮かべた後微笑みを浮かべてエリゼを見つめ、それを見たその場にいる多くの者達が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中エリゼは膨大な威圧を纏って微笑むミルディーヌ公女と見つめ合って火花を散らし、エリゼの隣にいたリフィアは思わず驚いて表情を青褪めさせながらエリゼを諫めようとし、キュアとユーディットは呆れた表情で溜息を吐いた。
「―――早速だが、”本題”に入らせてもらう。レンから予めミルディーヌ公女が望むメンフィル帝国に対する要望を聞いてはいるが…………互いに思い違いがないかどうかを確かめる為とその要望内容の詳細を知らない今回この場を提供してくれたクロスベル側のカイエン公爵令嬢姉妹にも知ってもらう為にも、その要望内容をこの場にいる全員に聞かせるが構わないな?」

「はい、お願いしますわ。」
リウイの問いかけにミルディーヌ公女が頷くと、リウイはミルディーヌ公女のメンフィル帝国に対する要望内容を口にした。


1、2年前の”七日戦役”時にメンフィル帝国が占領した貴族連合軍の旗艦”パンダグリュエル号”をエレボニア側のカイエン公爵家の当主であるミルディーヌ公女への返還

2、ギリアス・オズボーン討伐後に行う帝国政府の解体並びにメンフィル帝国、クロスベル帝国、ヴァイスラント決起軍による臨時帝国政府の期間は最長でもエレボニアの次期皇帝として帝位に付いてもらう予定のリーゼロッテ皇女が成人するまで。

3、ギリアス・オズボーンの件で責任が追及されるであろうユーゲント皇帝を含めたアルノール皇家に対する処罰内容で決してユーゲント皇帝達の命を奪うような内容ではない事。

4、メンフィル側のクロイツェン次期統括領主にしてシュバルツァー公爵家の次期当主であるリィン・シュバルツァーとミルディーヌ公女の婚約を認める事。(なお、ミルディーヌ公女のリィン・シュバルツァーの妻としての序列は交渉時点での最下位。)


「私達―――クロスベルに要望を出した時と同じように政府やユーゲント陛下達の件、それにリィン様の件までは想定していたけど、パンダグリュエルの返還の要望まで出していたの…………!?」

「―――ミルディーヌ、一体何の為にパンダグリュエル―――”戦艦”までメンフィル帝国に返還してもらおうと思ったのかしら?」
ミルディーヌ公女の要望内容を知ったキュアが驚いている中ユーディットは真剣な表情でミルディーヌ公女に問いかけた。
「帝国貴族の方々にエレボニア側のカイエン公爵に就任したばかりの私の”手柄”と”力”を示す為ですわ。」

「”手柄”と”力”……
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