外伝〜ミルディーヌ・ユーゼリス・ド・カイエン〜前篇
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ユーディットとキュアは疲れた表情で溜息を吐いた。
「……………………ミルディーヌ殿、貴女のしようとしている事は理由は違えど、前カイエン公であるクロワール卿と同じ―――いえ、それ以上のアルノール皇家に対する謀反であり、エレボニアの未来をメンフィル・クロスベル連合に――――――他国に委ねることになる事は理解していらっしゃっているのでしょうか?」
「当然、覚悟の上です。このまま帝国政府の計画が進めば、エレボニアに待っているのはメンフィル・クロスベル連合――――――いえ、西ゼムリア大陸全土の各国が盟を結んだ連合に無謀な戦争を仕掛けた挙句敗戦し、滅亡するだけの未来です。それを未然に食い止める為にはオズボーン宰相達を廃し、オズボーン宰相を重用しているユーゲント皇帝陛下にもオズボーン宰相を重用した責任を取って皇位から退いて頂かなければなりません。それと臨時政府の件は先程も説明したようにあくまで”期間限定”ですので、その期間が過ぎれば当然メンフィル・クロスベル両帝国には政府から撤収して頂きますし、私を含めたヴァイスラント決起軍の関係者達も政府から撤収する事をリベール、レミフェリア、七耀教会も参加してもらう予定となる国際会議にて宣言し、公文として残すつもりですわ。」
静かな表情で問いかけたハイアームズ侯爵に対してミルディーヌ公女は決意の表情で答え
「その…………ミルディーヌ殿は帝国政府の計画は必ず破綻し、戦争の為に戦力を増強した正規軍もエレボニアを除いた西ゼムリアの国家の連合軍に敗戦すると仰っていましたが………正規軍が連合軍に勝利する可能性は一切考えていないのでしょうか?」
「逆に聞きますが、今の正規軍―――いえ、エレボニアにエレボニアを除いた西ゼムリアの国家による連合軍に勝利できる要素がどこにあるというのですか?”百日戦役”、”七日戦役”共にメンフィル帝国軍に対して圧倒的な敗北をしてかつては”大陸最強”を誇っていた自分達が”井の中の蛙”である事を思い知らされた挙句、その”代償”として国力のおよそ5割とRF(ラインフォルトグループ)を失った今のエレボニアに。メンフィル帝国―――一国にも勝てないエレボニアが、共和国を飲み込んで大国となり、RFを手に入れたクロスベルとも連合を組んだメンフィルやリベール、そしてレミフェリアの連合軍に勝利できる可能性は”ゼロ”と言っても過言ではありませんわよ。」
「それは…………」
諸侯の一人はミルディーヌ公女にエレボニアの可能性を指摘したがミルディーヌ公女の正論を聞くと気まずそうな表情でリウイやユーディットに視線を向けて黙り込んだ。
「ユーディット皇妃陛下、リウイ前皇帝陛下。先程ミルディーヌ殿が仰った臨時政府の件については既に両帝国も承認しているのでしょうか?」
「はい。クロスベルは既にヴァイス
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