第6章:束の間の期間
閑話16「修行の一風景」
[10/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
はそれを落ち着いて槍で受け流す。
速度では勝てなくとも、反射神経は負けていない。
そのため、すずかはフェイトの攻撃をしっかりと見切り、攻撃をいなしていた。
「(……目が、赤い?)」
そこで、フェイトはふと気づく。
ブルーサファイアのように綺麗な青色なはずのすずかの瞳が赤く染まっている事に。
まるで、自分の……いや、それ以上に赤くなっている。
「……ふふ、気づいた?」
「ぇ……ッ!?」
すずかがそう言った瞬間、フェイトに倦怠感が襲う。
まるで重力が強くなったように、体が重く感じた。
「精神干渉はトラウマなのと司さんの加護で防がれるからやらないけど……体に直接作用するのは効くでしょ?特に、フェイトちゃんみたいに速い子はこうしてちょっと体を重くするだけで……」
「ッ―――!?」
「簡単に、追い抜けちゃう」
反応が鈍くなり、身体強化を施したすずかに背後を取られる。
すぐに反撃しつつ間合いを取ろうとしたが、間に合わずに掌底で吹き飛んだ。
「ど、どういう事……?」
「なのはちゃん達は気にしてないから忘れがちだけど……私は“夜の一族”。吸血鬼と似た性質を持つの。そして、吸血鬼の特徴は再生や血を吸う事、体を蝙蝠に変える事とかの他に、“魔眼”っていうのがあるの」
「魔眼……」
フェイトの動きが鈍くなったのは、魔眼が原因だった。
精神に干渉する事は司の魔法によって出来なくなっている。
そのため、すずかは目を通して脳に働きかけ、動きを鈍くしたのだ。
「緋雪ちゃんや葵さん、とこよさんが呼んだ吸血鬼系の式姫さん達に使い方を教えてもらったんだ。ちょっと高揚した気分になるけど……どうかな?」
そういうすずかの表情は、どこか妖艶さを感じる笑みを浮かべていた。
普段のお淑やかな性格から少しばかり変わっている。
「う……ぐ……」
「ふふ……初見殺しなのが効いたね。隙を見せたフェイトちゃんの負けだよ」
直後、氷の霊術によってフェイトは完全に身動きが取れなくなった。
氷漬けみたいになっているが、バリアジャケットのおかげで冷たい程度で済んでいる。
「まぁ、動きを鈍くするのが限界なんだけどね。ごめんね?寒いだろうから、解除しておくね?」
「っ………」
氷漬けにし、悠長に会話している時点ですずかの勝ちだ。
実戦であればもうトドメが刺されている。
そんな状態になったため、フェイトもそれを認めた。
「……結構、悔しいな……」
氷の霊術が解除され、フェイトは“休息のサイン”を出して戦闘区域の端に行く。
そして、なのはの方へ向かうすずかを見送りながら、そう呟いた。
何せ、今までの魔導師としての経験はすずか
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ