第6章:束の間の期間
閑話16「修行の一風景」
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を寂しく思っていたのではない。
去っていく時の悪路王の背が、どこか寂しそうだった事を心配していたのだ。
「(強さの上限に至って、これ以上鍛えても足手纏いにしかならない。……妖だからこその問題……か。幽世なら、もっと強くなれるだろうけど……)」
妖は基本的に陰の気を持つ。
それ故に、陰の気に満ちている幽世なら、さらに強くはなれる。
裏を返せば、現世ではもう強くなれないのだ。
別に、悪路王は強さに固執している訳ではないが……気にしない訳でもない。
そのため、足手纏いになる事に思う所があったのだ。
「(……ううん、悪路王の事だし、心配する程でもないよね)」
とこよは悪路王について人並み以上に理解している。
その経験から、とこよは悪路王を心配する必要はないと判断した。
思っていた事も、他の人に悟られないように、心に仕舞う。
「……あれ、緋雪ちゃんとユーリちゃんは?」
「その二人ならさっき入って来た執務官達に挨拶しに行ったよ。挨拶する前に戦闘を始めたからねぇ。とこよも少しは休憩しておきな」
優輝はその二人を連れて行くために同行していた。
つまり、とこよだけ何気に置いてけぼりになっていた。……さしたる問題はないが。
「そっか。……うん、じゃあ休憩」
簡易的な結界を張り、とこよは座り込む。
しばらく休みながら、他の人の模擬戦を観賞するのだった。
「……うーん、この組み合わせは何気に初めてかしら?」
「そうだね」
一方で。なのは達仲良し六人は。
三体三で対峙していた。
「魔導師組と、陰陽師組。ちょっとした夢の対決やな。……今までこの組み合わせで模擬戦してなかったのが不思議なくらいや」
「私達は経験不足を補うように、最近まで椿さん達が指定した相手としか模擬戦してなかったから……。その分この組み合わせになるのが遅れたんだと思うよ」
なのは、フェイト、はやて。
アリサ、すずか、アリシア。
それぞれ魔法を使う組と霊術を使う組に分かれてチームを組んでいた。
すずかが言ったように、今までは別の人が相手だったり、組み合わせが違ったりして、こんな夢の対決のような組み合わせは初めてだった。
なのは達の場合、先にシュテル達も相手にしていたので、余計に巡り合わせが遅くなっていたという事情もある。
「……負けないよ。フェイト」
「……うん。私も、負けない」
フェイトとアリシアは姉妹なため、今までの模擬戦でもよくコンビを組んでいた。
そのためか、いざ敵同士になると、早速戦意を燃やしていた。
「じゃあ、この魔弾銃で撃った魔力弾が炸裂したら開始。いいね?」
「うん、
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