第1章 オルクス大迷宮
始まりの時
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もう少し静かな日常を夢見ながら俺はそれを見上げた。
(・8・)(・8・)(・8・)(・8・)
4限目が終わり、昼休みに入る。
俺が自分で作った弁当を食べようとした時、横から声を掛けられる。
「悠斗、一緒に食べましょう」
雫はそう言って俺の机に自分の机を連結させ、自分の弁当箱を取り出す。ところで、どうして隣に来るのん?正面でよくね?まぁ面倒臭いから言わないけど。
「南雲くん、一緒にお弁当食べよ?」
視界の端では白崎がハジメの元に弁当箱を持って突撃し、それにハジメが抵抗していた。
「誘ってくれてありがとう、白崎さん。でももう食べ終わったから天之河くん達と食べたらどうかな?」
そう言って空になった10秒チャージのパッケージを振る。しかしそれは悪手だったようで、白崎はハジメに追撃をかける。
「えっ!お昼それだけなの?ダメだよ、ちゃんと食べないと!私のお弁当分けてあげるね!」
やめてあげて!ハジメのSAN値はもうゼロよ!
俺?俺は隣の雫と苦笑いしながらその光景を見ている。
そんな空間に救世主(笑)が現れる。
「香織。こっちで一緒に食べよう。南雲はまだ寝足りないみたいだしさ。せっかくの香織の手料理を寝惚けたまま食べるなんて許さないよ?」
爽やかな笑顔でそう言うクソ之河にキョトンとする白崎。少々どころかかなり天然である彼女には、クソ之河のイケメンスマイルやセリフは通用しないようである。
「え? なんで光輝くんの許しがいるの?」
白崎の天然発言に俺と雫は「ブフッ」と吹き出してしまう。お茶飲んでたら危なかった。クソ之河はあれこれと白崎を説得しているようだが、彼女には届かない。
何はともあれ、ハジメの周りには校内の有名人がほとんど集まっているため、視線を集めるのは必然的だ。ハジメの表情が死に始めた。
「ほら雫、出番だぞ。あのバカをどうにかs」
雫を仲裁のために送り出そうとした瞬間、俺の目の前、クソ之河の足元に純白に光り輝く円環と幾何学模様が現れた。その異常事態には直ぐに周りの生徒達も気がついた。全員が金縛りにでもあったかのように輝く紋様――俗に言う魔法陣らしきものを注視する。
え、また転生?俺これどうなるの?でもこれもしかしたら向こうの世界で一方通行の能力使えるかも。
クソ之河の足元に現れた魔法陣は徐々に広がり、教室全体に広がった。それを見た俺らのクラスの担任で、未だに教室に残っていた愛ちゃんこと畑山愛子先生が「皆! 教室から出て!」と叫んだのと、魔法陣の輝きが爆発したようにカッと光ったのは同時だった。
数秒か、
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