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ありふれた世界で一方通行
第1章 オルクス大迷宮
始まりの時
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から敵愾心を向けられるかと言うと――俺のもう1人の友人が原因だ。


「南雲くん、おはよう!今日もギリギリだね。もっと早く来ようよ」


満面の笑みを浮かべながらハジメに歩み寄る1人の美少女。名を白崎香織。
校内で雫と2人で二大女神と言われている、男女問わず絶大な人気を誇る少女だ。腰まで届く長く艶やかな黒髪、少し垂れ気味の大きな瞳はひどく優しげだ。スッと通った鼻梁に小ぶりの鼻、薄い桜色の唇が完璧な配置で並んでいる。
そんな彼女がハジメに積極的に話しかけるのだ。男子から敵愾心を向けられても不思議ではない。


「あ、ああ、おはよう白崎さん」


ハジメが挨拶を返すと白崎はさらに笑顔を向けるため、クラスの男子の殺気がハジメに全方位爆撃をしている。視線に晒されて引きつった表情を浮かべるハジメを見て俺と雫は苦笑するしかない。
そしてそんな空間にさらなるダイナマイトが放り込まれる。


「香織、また彼の世話を焼いているのか?全く、本当に香織は優しいな」


「全く出ぜ、そんなやる気ないヤツにゃあ何を言っても無駄と思うけどなぁ」


些か臭いセリフで白崎に声を掛けたのが天之河光輝。如何にも勇者っぽいキラキラネームの上、容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能の完璧超人だ。
八重樫道場に通う門下生の1人で、俺が通わなくなった原因である。ダース単位で惚れている女子生徒がいるらしいが、いつも一緒に居る雫や白崎に萎縮して告白されていない。まぁそれは校内に限った話で、校外では告白を受けるのだからスジ筋入りのモテ男(笑)だ。
投げやりな発言をしたのは坂上龍太郎。努力とか熱血とか根性とかそういうのが好きなタイプなので、ハジメのことが嫌いらしい。
2人を言い表すならイケメン(笑)と脳筋。


「ほら、めんどくさいクソ之河と脳筋が出てきたからハジメを助けてやってくれ、オカン」


「ちょっと、南雲くんを助けてあげないの?それにオカンって何?!」


「雫だって知ってるだろ、俺がアイツらのこと嫌いだって」


「知ってるけど……はぁ、分かったわ、どうにかしてくる」


そう言って雫は戦場へと歩いて行った。
分かると思うが、俺は天之河と坂上が嫌いだ。特に天之河の努力しなくてもなんでも出来るところと、自分の正しさを疑わないこと。前者は道場に通っていた時、天之河は俺の後から入ってきたのだが、入ってきて一週間で俺を倒すレベルにまでなったのだ。才能をまざまざと見せつけられた俺は、道場を辞めたのだ。
後者についても、自分の都合で物事を判断し、発言をする。それも恐ろしく方向性の違うことを平然と。吐き気がするほどだ。それを諌める雫はマジで天使。
カオスな空間から視線を外し、
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