34正義執行
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クロエが放った黒い矢は、どっかのまどかさんの最終形態のように、世界中に、異世界に、多元宇宙に向かって行った。
まず近場にいた切嗣、ギルガメッシュ、アレクサンダー、言峰綺礼、カリヤおじさん、マキリゾルゲン、ナタリア人形、マイア人形、シャーレイ人形、ちょっと離れたアイリママなどに刺さった。
「「「「ああっ!」」」」
「「うおおおおっ!」」
これがクロエの願い通りなら、悪逆非道の人物は人形でも消され、独裁者も腐敗政治家も役人も銀行家も弁護士も、始末の手間が省けるように死体も残さず消え、もし子供もいなければ存在自体が消されたり、家族の記憶からも消されるはずだった。
「ああっ、私は何てことをっ!」
目と顔を覆って泣く美游だが、そこで予想していなかった出来事が起こり始めた。
「アレ?」
クロエ的にもパパで正義の味方の切嗣とか、天然でもママのアイリは始末しないつもりだったのだが、頭に刺さった黒い矢から、植物の双葉のような物が生え始め、何年か前に中国で流行ったような頭に取り付けるアクセサリー状態になった。
他にも冬虫夏草のように頭からキノコを生やし始めたのとか、小さいヤシの木生やしてブタが登ったり、マタンゴ状態の腐敗政治家とか独裁者、カネゴン状態の銀行家とか、小さい怪獣ピグモンとか快獣ブースカとか、円谷プロ的に著作権が危ない生き物が発生し始めた。
「「エ?」」
「ああっ、もう私には神様が見えないっ!」
アンジェリカとかクロエが異常に気付き始めても、ひとりで出来上がって悲劇のヒロインしている美游は気付いていなかった。
「「「「「「「「「私は歯車、世間の歯車、週に6日働いて1日8時間働きますっ、8時間睡眠して、余暇には食事や趣味の時間を持って労働の再生産に努めますっ」」」」」」」」
アイリとか綺礼、カリヤおじさん、ギルガメッシュ、アレクサンダー、マキリゾルゲンまで世間の歯車として改心?して、労働の義務を果たして納税の義務とかも果たそうとしていた。
「なんでやねん……」
またも叶えられなかったささやかな願い。
聖杯はアンリマユに汚染されていなかったが、関西的に「ヨゴレ」ていた。
真面目な俳優やアナウンサーでも被り物をかぶったり、着ぐるみや扮装で出オチしたり、若手のお笑い芸人が進んで顔中粉まみれになってみたり、中堅芸人でも泥の中とか腐ってよどんだ水の中に平気で飛び込んで、泥だらけの顔でカメラに写るのが「オイシイ」状態。
自分から粘着剤に張り付いて剥がそうとして服が脱げたり顔が歪んだり、頭からストッキング被って吊り上げられ、ブサイクな顔が放送されてしまうのが嬉しい芸人根性こそが正しい世界に書き換えられてしまった。
「僕はね士郎、冴えない系主人公をからかったり挑発したりする系のヒロインが、匙加減を間違えて主人公
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