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ある晴れた日に
126部分:谷に走り山に走りその二十二
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谷に走り山に走りその二十二

「そこんところはよ」
「そう?」
 咲も今の正道の言葉に怪訝な顔になる。
「あまりっていうか全然思えないけれど」
「だったな。うち等ってな」
「ずっとだからね」
 春華と奈々瀬も顔を見合わせている。声がいつもより小さく顔もやや俯いてしまっている。
「未晴に助けてもらってっからな」
「泣いてる時もいつも慰めてもらったし」
「竹林だって何度か泣いたことないか?」
「それはまあ」
「ないって言ったら」 
 五人は正道の今度の問いにも答えた。
「嘘になるかな」
「未晴には悪いけれどこのことはやっぱり。本当だし」
 彼女に気を使いつつ述べる。
「そういうことも子供の頃あったし」
「やっぱそん時はうち等が」
「そういうものなんだよ」
 今回はやけに全てがわかっている感じの正道だった。
「友達っていうのはよ。だからそれでいいじゃねえかよ」
「いいの?それで」
「けれどこれ位」
「これ位だし」
 その未晴の言葉だった。
「私もそうよ。これ位よ」
「だからいいのかよ」
「そうよ」
 微笑んで五人に答える未晴だった。
「だからね。いいの」
「そうなの。それで」
「私達未晴を助けてるの」
「自分達ではわからないものよ」
 田淵先生もまた五人に対して言うのだった。
「そういうのってね。気付かないうちにってことよ」
「そういうものなんですか」
「自分達では」
「いいことも悪いこともだけれどね」
 先生はあえて両方を話に出したがこれは考えあってのことである。そうやって話を出して五人だけでなく皆にも話すのである。深謀であった。
「気付かないうちに、なのよ」
「はあ」
「悪いこともですか」
「そうよ。気付かないうちに悪いこともしていたりするわよ」
 話がそこに向かったのでこのことにも答える田淵先生だった。
「その辺りは注意してね」
「ええ」
「それは」
 五人を中心として答える一同だった。
「わかりました」
「やっぱり。そういうのってよくないですからね」
「わかればそれだけ気付くことが多くなるわ」
 田淵先生はまた皆に述べた。
「だから。気をつけてね、くれぐれも」
「はい」
 皆あらためて先生の言葉に頷く。何気に実に深い話が行われた帰り道だった。バスに乗る時も皆そのことを忘れていなかった。明日夢がふと隣に座る凛に対して声をかけてきたのだった。
「ねえ凛」
「何?」
「やっぱり。私もそうよね」
 こう凛に対して言うのであった。
「私も気付かないうちに凛をってあるわよね」
「ううん、そうかも」
 凛は首を少し捻ってから明日夢に答えた。そして彼女も言うのだった。
「私もかも」
「それはないけれど」
「私もないわよ」
 二人はそれぞ
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