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元気の源
第四章
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「寒さにも向かえる」
「そして政務や芸術にも学問にも励める」
「恋愛にもな」
「そういうことか」
「それで女帝陛下はいつも精力的なのだな」
 彼等はこのことがわかった、そしてだった。
 彼等はロシアにいる間日々ジャガイモを食べ精力的に職務に励んだ、女帝はその彼等を見て女官の一人に話した。
「どうやら他国の外交官も」
「はい、どの方もですね」
「ジャガイモに魅せられた様ですね」
「その味に」
「ジャガイモは非常に美味しくです」
「すぐに栽培出来てよく育ちます」
「痩せた土地寒い土地でも」
 そうした場所でもというのだ。
「だからです」
「それだけでも非常によいものですね」
「しかもです」
 それだけではなくとだ、女帝はさらに話した。
「食べるとかなり満腹感が得られ」
「身体も温まり」
「そして動けます」
 満腹になった分だけというのだ。
「どうやら栄養もかなりなので」
「いいこと尽くしですね」
「今度はこのジャガイモをです」
「民達にもですね」
「広めたいと考えています」
 ロシアの民達にというのだ。
「是非共。ではです」
「陛下御自らですね」
「ジャガイモを食べる様にとです」
「民に言われますね」
「そうします」
 是非にと言うのだった。
「そして民達を満腹にし」
「寒さに耐えられる様にして」
「私の様によく動ける様にします」
「それでは」
 こうしてだった、女帝は民達にジャガイモを食べる様に言った、だが民達はどうだったかというと。
 欧州の他の国々の者達の様にだ、こう言った。
「聖書にはこんなもの出ていないぞ」
「しかも形も悪い」
「土色で如何にもまずそうだ」
「こんなものどうして食うんだ」
「どうして食ってもまずいぞ」
「こんなもの美味い筈がない」
「誰が食うか、こんなもの」
「絶対に食うものか」
 口々にこう言ってだった。
 殆ど食べなかった、だが。
 プロイセンは違っていた、フリードリヒ大王はジャガイモの上にバターを乗せて食べてみてから言った。
「美味い、ではな」
「これからですか」
「民達に食べさせるとしよう」
「そうしてですね」
「民を餓えから救ってだ」
 そのうえでというのだ。
「さらにだ」
「人口もですね」
「そうだ、人は食べるものがあれば増える」
「だからですね」
「増やしていくぞ」
 フリードリヒ大王は機知も使ってジャガイモを国に広めた。そしてロシアより先にジャガイモを食べる様になった。
 ロシアではエカテリーナ女帝は好んで食べていた、だが女帝が愛したこの作物をロシア人が食べる様になったのは彼女の時代から半世紀程経てからだったという。誰よりも早くジャガイモを食べたかも知れない主を持ちつつ民衆が食べる様になったのは
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