第2話 前座
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を訪ねたのだが、『コマの持ち主の情報までは与えられていない』という情報を持たないステフに、それを見破る術はない。そして唯一神のコマを持つ現状にキョドるステフを、煽ってとっととゲームさせる────それがグシの意図だった。空がRTAの為に駆け引きをしなかったように?────グシは駆け引きでさらに時間短縮を図ったのだ。
その思惑に気づけないステフは、思い切り誘導されるままに宣誓する。
「ら、楽そう、ですって!?私だって強くなってるんですのよ、簡単に負けてあげたりはしませんわ?────【盟約に誓って】!!」
?────ステフは知らない。そもそも空達はステフの勝負など最初から眼中になく、それ故にステフのゲームを最大限楽しむ為に彼らがRTAという遊び方を選択した事を。
そして、それを悟れぬまま【盟約に誓った】時点で、既に負けているということを。
?────唯一神のコマ、それがなくなった巨大なチェス盤の上。
ステフをボロクソに負かす『 』とグシの姿を遠視しながら、テトは不遜に呟いた。
「うん、さすが『 』さんにグシさんだね。盤上から観てても楽しいけど?────見てるだけじゃあつまらないよね☆」
その手で黒いキングを弄びながら?────なおも不遜に、テトは言葉を続ける。
「たまには、僕も盤外でプレイヤーとして楽しみたいし?────ただの『遊戯の神』テトとして、挑もうかな?待たせないでね?────3人とも♪」
そう言って、唯一神は?────チェス盤から飛び出した。
「さあ、遊ぼう!ギャラリーなんてつまらない!プレイヤーとしてゲームを編む事こそ僕の生まれた意義だ!あの二人に願われたように?────挑もう!世界一下らない?────故にこそ、世界一楽しい、そんなゲームをしよう!!」
そう叫んだテトは、もはや唯一神に座するものでは無かった。もう彼は、ただのゲーマーだった。
チェス盤から盤外へと跳ぶ?────プレイヤーだった。
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