第三話
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ユウキさんは軽く噛んでいた。やはり、ユウキさんも疲れているのだろうか。
しかし……。
「オダマキ博士と言うと……ミシロタウンに居るポケモン博士でしたよね?」
この世界にいる人の中では、少し変わった部類。未だに謎の多い生物であるポケモンの生態や特徴、起源などを調べようとする人たち。それが、ポケモン博士と言われる人達。世界的権威であるオーキド博士や、ジョウトのウツギ博士なんかがそうだ。
「ああ。あの人、フィールドワークに良く出かけてるらしくてな。ホウエンなんかは自然豊かだから、丁度いいだろうさ」
「……気に入りました?」
「おう。話に聞くより数倍いい所だ」
「そう言って頂けると、うれしいです」
そう言ってニカッと笑ったユウキさんを見て、ほっと胸を撫で下ろす。ホウエンを気に入ってくれたこともそうだけど、何より、センリさんから聞いてたより、ずっと話しやすい人だったからだ。ますます、センリさんとの関係が冷え込みすぎているのではと、部外者ながら不安になる。
「さてと……そろそろ再開するか」
ユウキさんはそう言うと、腰掛けていた岩から立ち上がる。
「はい。早いとこ捕まえないと、日が暮れちゃいますもんね」
僕もそれにならうように立ち上がり、お尻をぱんぱんとはたき、汚れを落とす。
そんな時だった。
『………………す……………………て…………』
どこからか、そんな声が聞こえてきたのは。
「………っ!?」
僕はバッと当たりを見渡す。相変わらず、草むらの中にポケモンの気配はない。
「…………どうした?」
いきなりそんな動きをしだした僕を、怪訝そうに見つめるユウキさん。
「いや…………何か声が聞こえた気がしたんですけど……」
「あ?俺にはなんにも聞こえないぞ?」
「……気のせいかな…………」
否定されてしまっては、僕も引き下がるしかない。空耳なんて、良くある話で──。
『た…………すけ……………………てっ………………!』
今回ばかりは、どうも違うらしい。
先程よりもはっきりとした、助けを求める声。最早、疑う余地もなかった。
「っ!!」
気が付いたら僕は、今までほぼしたことのない全力疾走を始めていた。
「お、おい、待てって!!いきなりどうしたんだよ!?」
後ろの方から、僕を追いかけてくるユウキさんの声が聞こえてきたが、返事をしている暇はない。
僕は、自分が走っている方向が合ってるかどうかもわからないまま、声の主を探し出そうとしていた。
しかし、僕は信
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